2008年12月26日

株価と諸行無常

株式市場を定点観測するようになって、
「この世は諸行無常
盛者必衰のことわり」
と、とても当たり前のことを実感した。
(大げさですみません。
「おまえは平家物語を語る琵琶法師か!?」
とツッコんでください)

 銘柄でも業種でもいい、定点観測していると、昨日上がったものは今日下がり、今日下がったものは明日上がる。
 日ごとじゃなくても、週ごと、月ごと、半期ごと、1年ごとの単位で見れば、必ずそうなっている。
(たまに、どうしてもダメダメで、退場(上場廃止)してしまう銘柄もあるが)
 いや、市場全体ですら、ある程度、上がりすぎて過熱すれば調整に入る。下がっても、ずっと下がりっぱなしではなく、いつかは戻す。

 という、市場関係者なら、いや、人として誰でも知っていることを、実感したのだった。

 というわけで、2009年はぜひ、リバウンドの年でありますように。
(「神頼みかい!?」
とツッコんでください)


posted by 田北知見 at 15:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2007年10月19日

『ブラックマンデー』について。

 きょうは、『ブラックマンデー20周年』だそうだ。
 (イヤ、そういう言い方はないと思うが…)

 『ブラックマンデー』について、日経記事などから、概要を、以下に抜粋してみる。

■概要と理由

 1987年の10月19日、アメリカのニューヨーク株式相場が暴落した。

 IBMやゼネラル・エレクトリックなどの主力株に売り注文が殺到。
 ダウ工業株30種平均は、前日比508ドル(22.6%)安と、大幅に下落した。
 下落率は、大恐慌時代の1929年10月28日に記録した12.8%を超え、過去最大の下げ率となったそうだ。

 理由は、それまで、アメリカの景気が過熱ぎみであり、株式相場のPERが高水準となっていたこと、経常・財政収支の「双子の赤字」、ペルシャ湾情勢の緊迫化などが指摘されている。
 引き金となったのは、西ドイツ(当時)が短期金利の高め誘導に踏み切ったこと。ドル安(ドル相場の不安定化)を誘うのではないかという懸念が広がったためのようだ。

 また、もうひとつの理由として、コンピュータによるプログラム取引が指摘されている。
 コンピュータに設定した株価を、相場が割ると、自動的に損切りのために売り注文を出すシステムだ。

■素早い対応

 しかし、
「さすが、欧米には市場経済・政治に一日の長がある」
と思うのは、その後の対応だ。

 その日のうちに、ホワイトハウスは、
「米国経済の健全さには自信」
との表明を出した。
 さらに、西ドイツの蔵相、連銀総裁と、アメリカの財務長官が会談し、
「西ドイツ連銀は国際協調路線を堅持する」
と表明。

 翌20日には、グリーンスパンFRB議長(当時)が、ニューヨーク市場の取引開始前に、
「流動性の供給源としての役割を果たす」
との声明を出した。
 レーガン大統領(当時)は記者会見で、
「国民が消費を控えなければ、株価暴落は景気後退にはつながらない」
との見方を示した。

 そのため、ブラックマンデー当日の19日には、既述のとおり508ドル下落したダウ平均が、20日には102ドル高と反発、21日には186ドル高と続伸したそうだ。
 こまかく見てないけど、その後、ダウ平均は1〜2年かかってはいるが、もとの水準まで戻している。さらにその後は、続伸している。

 …すごいなあ。
 ふだんは「市場至上」(←シャレか?)主義なのだが、必要な時には、パッと政治が介入する。
 「失われた10年」を持つ日本、ITバブル後も、ほとんど手をこまねいていた日本とは、大違いだ。

■関係ないけど、独り言。

 1987年10月。
 私は地方で、のんびりと、大学1年生をやっていた。
 大学入学以降は、ほとんどテレビを見なくなったので、ブラックマンデーも、あまり記憶にない。

 大学在学中に、テレビに首っ引きになっていたのは、2回だけだ。
 そのうちのひとつは、1991年の湾岸戦争だった。

 スーパーに買い物に行った時(一人暮らしなので、食品・日用品は自分で調達する)、なんとなく、トイレットペーパーを買った憶えがある。
「まあ大丈夫とは思うけど、一応、買っとくか」
みたいな感じだった。(笑)
 私だけじゃなくて、そういうお客さんが多かったようで、なぜかその日の店頭では、トイレットペーパーが、品薄っぽかったような気がする。

(ご存知ない若いかたのために説明すると、1973年に第四次中東戦争がきっかけで、また、1978年にイラン革命がきっかけとなり、原油価格が高騰。日本国内では、『オイルショック』として、原油価格とは直接関係ないはずのトイレットペーパーや洗剤などの買い占め騒動が起きた)

 きょう(2007年10月19日)の日経平均株価は一時、394円62銭安の1万6711円57銭まで下落した。
 先週末から下落ぎみではあったし、円安進行やインド市場の下落などが影響しているとはいえ、また、来週から本格化する9月中間決算時期を控え、もよう眺めムードがあるとはいえ、弊社(株式会社日本インタビュ新聞社)のベテランたちが、
「こんなに、下げるかな…?」
と首をかしげる場面もあった。

 上記の、トイレットペーパーのように、
「なんとなく、売っとくか」
みたいな…? それはないか。(笑)

 あっ、日経平均は大引けにかけて、291円安まで戻しました。
 また、弊社のベテランの話では、
「さすがに買い戻しの動きが出てきている」
ようなので、相場、そんなに心配しないでくださいね。(笑)

 下の報道も、この記事とは直接関係ないのだが、イメージ写真?みたいなつもりで入れておきます。
 しかし今回初めて知ったのだが、グリーンスパン氏は、そんな大昔(私にとっては、ブラックマンデーは「歴史上の出来事」(笑))から、FRB議長だったのか…すごい…。


posted by 田北知見 at 18:56 | 東京 ☁ | Comment(3) | TrackBack(13) | あの業界!こう見る

2007年10月16日

ノーベル経済学賞の報道を読んで、シロート感想




 上記の報道では、内容が解りづらいので(というか、私がアホで理解できないだけだが…(笑))、今朝の日経記事から、一部を抜き書きしてみる。
(記事そのままではなく、カッコや読点を入れ、行がえをして読みやすくしてあります)

「市場参加者が、『自己利益を極大化しよう』とする競争を通じ、経済全体が効率化する」
という、アダム・スミスの市場経済学に対し、
(受賞した3氏は、)
「情報や影響力の格差で、市場にゆがみが生じた場合の、規制のあり方」
を、ゲーム理論などに基づき検証。

 …これで、少しは解った気になる…というか、私はなった。(笑)

 また、同日付け同紙に掲載されていた、青木昌彦・米スタンフォード大学名誉教授のコメントとして、次のように書かれていた。
(これも、一部のみの抜き書きです)

 (受賞した3氏のうち、ハーウィッツ名誉教授は)
「どうやって経済システムをデザインすべきかを、初めて数学的にきちんと議論した人」
「すべてを市場任せにせず、『情報を効率的に使えるようなシステム』を作る重要性を指摘した」
「一方で、『社会主義のような計画経済ではうまくいかない』ということを示した点にも、異議がある」

■これを、シロートが噛み砕くと…

 私は、専門的なことは解らないが、上記の記事を読んだ限りでは、次のようなシロート感想を持ったのだった。

「一時期、流行っていた、弱肉強食の『市場原理主義』はもう、流行っていないらしい」
「同時に、現場を知らない一部のエリートが、机上の理論で作っていく計画経済は、うまく行かないということも、指摘されているらしい」
「『情報の重視』は、現在の社会・市場に、確かに非常にマッチしているよね」

 …噛み砕きすぎですか…? あまりにシロートっぽくて、イヤハヤ、お恥ずかしい限りだ(笑)。

■学術的に見ても、歴史的にも、新たな段階にある

 もうひとつ、思ったこと。

 私は経済学を専門的に勉強したことがないので、学術的なことは、よくは分からないのだが、

 アダム・スミス(英、1723−1790)は「経済学の父」と呼ばれている人で、彼の著書『国富論』は、近代経済学の源となった古典だと思われる。
 一方、社会主義を唱えたカール・マルクス(独、1818−1883)は、20世紀の世界中で、政治理論、経済理論、哲学などあらゆる分野において、影響を与え続けた巨人だ。

 その2人の唱えた理論について、(かなり大雑把にいうと)
「それは、違うんじゃないか」
と指摘し、異なる新しい理論を打ち立てた学者が多数、存在する。
 そして、その人たちが、ノーベル賞を受ける。

 世界の経済は、学術的に見ても、百年単位・数百年単位で歴史的に見ても、新しい段階に入っているのだなあ、と、シロート目にも、感じたのだった。
posted by 田北知見 at 17:10 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2007年09月03日

「援助」ではなくて

 先週末の『THE NIKKEI MAGAZINE』の特集テーマは、「ボランタリー」だった。

 ボランタリー(voluntary):自発的なさま、自由意志で行動しているさま。
 ボランタリズム(voluntarism):任意性、随意性。とくに福祉関係での個人の自発的な協力などについていう。

■「途上国のバッグ」ではなくて

 いくつかのケースが取材・掲載されていたが、そのなかで、私は、バングラデシュのバッグメーカーと、栃木県足利市のワイナリーのケースが印象に残った。

 前者は、日本人の山口絵理子氏が起業したバッグメーカー『マザーハウス』。
 バングラデシュの首都ダッカに工房を置き、東京都台東区に直営店と事務所を置いている。年商5000万円。

 成功のカギは、途上国製品にありがちな、「安かろう、悪かろう」ではなく、デザインも品質も厳しく追求し、「普通にかっこいいと思い、買って、よく見たらバングラデシュ製だった」という方向を目指した点だ。
 「援助で買ってもらう」のではなく、サステナブル(持続可能)なビジネスを目指した。

 しかし山口氏は順風満帆で来たわけではない。
 昨年、ダッカで政治暴動が起きた。暴動後、当時契約していた現地工場に行ってみると、人も、デザイン画も、渡しておいた材料も消えていたそうだ。

 その後、現在の現地パートナーの工房やスタッフたちを紹介されて、契約を結び、再び、一から始めたという。

 現在の現地パートナーの1人は、山口氏と組んで仕事をしようと決めた理由を、次のように言う。
「(山口氏は)普通なら足を踏み入れないような(ダッカの)工場街を1人で駆け回り、本当にバッグを作って、日本で販売した。しかも、前の工場でだまされても、まだ我々バングラデシュ人を信じようとしている。参った、と思った」

■「障害者のつくるワイン」ではなくて

 一方、栃木県足利市のワイナリー『ココ・ファーム・ワイナリー』。
 働いているスタッフのほとんどは、知的障害者だ。

 当初は、果物農園としてスタートしたが、市況などに左右される生鮮品に比べ、安定的な収益と再生産ができるので、ワイナリーにカジを切ったそうだ。
 品質を追求した点が、上記のケースとの共通点だ。

 同ワイナリーのスパークリングワイン『NOVO』は、2000年の沖縄サミットの晩餐会の乾杯に使われた。
 ソムリエの田崎真也氏の推薦で候補になり、最終選考では、ラベルを隠したブラインドテストで選ばれたという。

 ここでも、池上知恵子専務の言葉が印象に残る。
「知的障害者が造るワイン、ではだめ。同情で買うのは1回だけだから」

■援助ではなく、サステナブルなビジネスで自立を

 これで思い出したのが、「マイクロクレジット」。(同誌でもチラリと触れられている)
 バングラデシュ人経済学者のムハマド・ユヌス氏が同国グラミン銀行で創設した、貧困層を対象とした、低金利の無担保融資だ。
 2006年には、同銀行と同氏は、「底辺からの経済的および社会的発展の創造に対する努力」で、ノーベル平和賞を受賞した。

 途上国援助のNPOの広告で、
「食べ物をもらうのと、食べ物の作り方を教えてもらうのは、かなり違います」
というようなコピーを見たことがある。
 以前から書いているけど、私も、そう思う。
posted by 田北知見 at 17:39 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | あの業界!こう見る

2007年08月02日

ローカル・ファストフード



■シミット:数十人で、1日数十万個を手づくり。

 この映像を見てると、日本人なら、
「これ、機械化して、数人で1日数十万個、できるようにならないかな」
という発想になるなあ、と思った。というか、私はそう思った。
 ただ、「手づくり」というところがセールスポイントかもしれないので、一概に機械化・効率化を求めるだけが良いとも思わないけど。

 あと、最近、日本では、ファストフードっぽい感じで、オニギリを売っているお店がある。東京駅にある『ほんのり屋』とか、大手町にある『うおぬまくらぶ』とか。お店の前を通ると、ゴハンのいいにおいがして、んもお、たまらん。
 ローカルフードのファストフードということで、あれを思い出した。

■マクドナルド:注文から17分以内で宅配。

 これも、人件費が安くないと、ムリだろうな。マクドナルドみたいな、利幅が薄そうな商品で、宅配なんて。と、まず思った。
 トルコでは、値段が違うのかもしれないけど。

■西と東、グローバリズムとローカリズム。

 グローバリズムと、ローカリズムの兼ね合い。
 何かにつけて欧米式を押し付けられると、「ちょっとなあ…」と思うが、一方で、私自身、旅先で、マックとかのファストフード店に助けられることが時々あるので、一概に、害ばかりともいえないし。前にも書いたとおり、便利だし。

 「ファストフード戦争」と書かれているけど、戦争ではなく、共存共栄がいいよね。
 と思うのは、日本人の甘さか。トルコは、東西の境目、というか、東西せめぎあいの最前線に位置してるんだものなあ…。
posted by 田北知見 at 16:27 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | あの業界!こう見る

2007年07月19日

外国人識者の「日本市場観」を読んで

■アグレッシブなガイジンの「ここがヘンだよ日本人」

 きのう発売の『ニューズウィーク日本版』7月25日号に、アーカス・インベストメントの共同創設者 ピーター・タスカ氏(英国)の寄稿が載っていた。

 題は「ブルドックを守る愚かさ」。
 趣旨は、過日、東京高裁がブルドックソース社の買収防衛策を支持し、米ファンド スティール・パートナーズを「濫用的買収者」としたことに対する、反論のようだ。

 リードには、
「買収で企業価値を高めるファンドの役割を無視。東京高裁の決定で金融市場の国際化がまた遠のいた」
と書かれている。

 本文から、ところどころ、抜粋してみる。

「日本経済は見た目ほど強くない。…食品など、国内部門の生産性は低い」
「対ドルで円安が続いている。こんな通貨は、ほかにジンバブエ・ドルくらいしかない」

「私利の追求が公共の利益につながる。このアダム・スミスの単純な洞察を、日本の政治家も財界人も裁判官も、理解していないらしい」

「日本の神経症的な守勢と、対照的なのが中国の大胆な攻勢だ」
「何より重要なのは、中国政府とウォール街が、戦略的な関係を築きつつあるということだ」

「日本の指導者たちは、『東京を世界の金融センターにしたい』と言う。だが、彼らが金融市場を尊重することを覚えないかぎり、その夢が実現する見込みはない」

■知日家の冷静な意見

 一方、先日、旅行会社の冊子に、いちごアセットマネジメントのスコット・キャロン社長のインタビューが載っていた。

 キャロン氏はアメリカ人だが、日本には通算18年、在住している。奥さんと4人の子供と日本に住んでいて、子供さんたちは日本の学校に通っているという。

 インタビューのなかで、キャロン氏は言う。

「顧客と投資先企業の成功こそが、重要であると考えています」
「大切なことは、株主や、その他のステークホルダーの利益を常に考える、ということです」
「私は長年日本に住み、日本人から学び、日本を理解してきましたから、『のっとり』的なやり方は、日本の土壌には合わないと思っています」

「私の会社の方針は、日本の文化とアメリカで学んだ経済学を組み合わせていこうとしているんですよ」

「日本人の膨大な貯蓄が海外の企業のために使われている。もったいないですよ」
「日本にもいい会社はたくさんあります。これらの株を短期的でなく長期的に持つことです」
「これから日本の株は上がりますよ。この国の将来はとても明るいと思います」

■良いところは取り入れて、でも盲従する必要はない

 私はいつも、前者のタスカ氏のような御意見を、聞いたり読んだりすると、げんなりする。

 一部の外国人、とくに欧米先進国の人の、
「われわれの国のすばらしさを見習いなさい」
と言わんばかりの言動には、げんなりするのだ。

 日本人でも、
「アメリカ(ヨーロッパ)では、……云々。それに比べて、我が国は後れている」
みたいなことを言う人は、よくいるが。

 文化も歴史も国民性も生活様式も、違うのだから、何から何まで追従する必要はあるまいに。と思ってしまう。

 もちろん、戦前の国粋主義に戻る必要はないと思う。
 日本みたいな小っぽけな国の、ひとりよがりの夜郎自大ほど、醜いものはない。
 美意識を抜きにした現実問題としても、国際的な孤立は、この国にとって死を意味する。

 以前、このブログにも書いたけど、一部の欧米人のように「その国の文化を尊重しつつ、でも一定の距離を置いて」とか、「学ぶべきところは素直に学び、不要なところは捨ておく」という態度が望ましいと、私は思う。
 そう、後者のキャロン氏のように。
posted by 田北知見 at 15:21 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(2) | あの業界!こう見る

2007年07月10日

外資系ファンドと、「鎖国復古」について。




■経緯

 報道によると、東京高裁は、米投資ファンド スティール・パートナーズがブルドックソース〈2804・東2〉の買収防衛策について、差し止めを求めた東京地裁の仮処分抗告に対し、きのう9日、申し立てを棄却した。

 スティールはかねてから、TOBにより、ブルドックソースの買収を図ってきたが、ブルドック側はこれに対応し、買収防衛策を6月24日の株主総会で提案。8割を超す賛成を得て可決された。

 スティールはこの買収防衛策について、
「株主平等の原則に反する」
などとして、東京地裁に差し止めの仮処分申請を行なったが、同地裁は6月28日に却下。
 スティールはこれを不服として、即日抗告を行なっていた。

■報道

 7月9日付け日経朝刊によると、高裁決定の骨子は次のとおり。

・ 株主総会で8割を超す賛成で可決された防衛策は、著しく不公正な方法ではない。
・ スティールは濫用的買収者と認めるのが相当というべきだ。
・ 不当な公開買い付けに対する防衛策なら、買収者を差別的に扱っても、株主平等原則には反しない。

 スティールをグリーンメイラーなどと同様の、濫用的買収者と定義したことがポイントだ。

一方で、同日付け同紙の社説にあるように、

「ファンド全般を好ましくない存在とする見方があるとすれば、短絡的すぎる」

「買収・防衛の是非は個々の事例ごとに論じられるものであり、ほかの企業の経営者は、防衛策の利用を安易に考えるべきではない。経営努力で企業価値を高めることが、本来の使命だ」

との指摘も妥当だろう。

 また、同紙の別の面には、
「今年の各社の株主総会は、おおむね個人株主はファンドの主張ではなく、会社側の主張に賛同したようだ」
「が、企業が個人株主の声を軽視するようなら、今後はどうかわからない」
「外資系ファンドのなかには、真剣に日本市場で受け入れられることを考えているファンドもある」
という趣旨の(と私には読めた)コラムも載っていた。

■ファンドの功罪←→鎖国が良いのか?

 確かに、外資系ファンドの動向は、株式市場を活性化させたり、企業に、あらためて株主の存在感を突きつける機会をつくったりしている。

 ファンドもいろいろで、上記の指摘どおり、すべてのファンドがグリーンメイラーということもあるまい。

 今回の判例(といっていいのか?)で、「投資鎖国時代に戻るのではないか」との懸念も指摘されている。
「外資や外国人投資家を排除するような日本市場に、魅力はない。となると、外資はもっと魅力のある他国へ流れてしまうのではないか」
との指摘だ。

 また、7月4日『会社は誰のもの?』でも少し触れたが、株式持ち合い復古の動きがあるのも事実だ。
 しかも、「持ち合い復古」が発表・報道された企業の株価は、上がっている。
 日本市場は、あるいは、日本の投資家にとっては、
「やはり、むかしどおりの鎖国状態が、ぬくぬくして心地良い」
ということなのだろうか。

■取り入れるべきところと、排斥すべきところ

 話は飛ぶが、いまの日本人って、外国人や外国のものに対して、
「無批判に、すべて受け入れる」(アメリカとか)
か、
「その国の文化その他を完全に否定して、日本式を押し付ける」(むかしのアジアの植民地とか)
か、どちらか一方の、両極端なように、私には見える。

「良いところや学ぶべきところは取り入れて、尊重すべきところは尊重し、迷惑な部分(グリーンメイラーとか、犯罪者とか)は排斥する」
というやり方は、できないのかなあ。
「ヨソのやり方を上手く取り入れ、自分流にアレンジする」
のは、日本人の得意とするところじゃなかったのかな。と、いつも思う。
posted by 田北知見 at 17:49 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2007年07月04日

「会社は誰のもの?」
2007年株主総会シーズン・バージョン

 株主総会のシーズンがほぼ終了した。
 もうすでに、旧聞に属する話題になってしまったが、今年は、
「株主提案とのタタカイ」
がテーマ(?)となった企業も多かったようだ。

 米投資ファンドのスティール・パートナーズから「狙われた」ブルドックソース〈2804・東2〉アデランス〈8170〉ブラザー工業〈6448〉等々…。

 また、モリテックス〈7714〉の株主総会では、大株主のIDEC〈6652〉が役員選任について株主提案を行なったり、TBS〈9401〉楽天〈4755・ジャスダック〉の攻防も話題になった。

 ほか、テン・アローズ〈9885・大証2部〉パトライト〈6825〉のように、
「創業家が強引に経営権を取り戻した」
と報道された企業もある。

 この手の話を見たり聞いたりすると、いつも、
「会社は誰のもの?」
という定番テーマにぶつかる。

 関連報道や識者の意見などを見ていて、いくつかのポイントが印象に残った。

■海外投資ファンドの「横車」に対する、
日本企業の「防衛」について


 ひとつは、投資ファンドの「TOBなどによる買収」や、「大幅な増配要求(株主提案)」に対する、会社側の防衛策だ。

〈事実〉
・ ブルドックソースの場合は、株主総会でも、とりあえず東京地裁の仮処分決定でも、同社側の提示した買収防衛策が支持された。

・ また、ブラザー工業など、ほかの多くの企業の株主総会でも、おおむね、会社側の考え方、やり方が、ファンド以外の株主に支持されたようだ。

〈私の意見〉
・ とりあえずは、「黒船を撃退」したことになるのだろう。そういう見方をすれば、ご同慶の至りである。
 低レベルの話で恐縮だが、池田章子社長、カッコよかったっす。(笑)

・ そもそも、日本企業の多くは、日本人の経営者・従業員・顧客の努力により、技術、社会的な(海外含む)信用、繰越利益、その他色々を築いてきたのだ。
 たまたまカネがあり、「外国の企業を利用して、自分たちのカネを殖やしてやろう」としか思っていない(ように、一般的には言われている)ヤツらの餌食にされてたまるか。

・ ――と、多くの人が思っているようだが、私もそう思っている。

〈識者の意見〉
・ 一方で、たとえばブルドックソースの「スティール撃退」策に、疑問を呈する声もある。

・ もちろん、スティールのウォレン・リヒテンシュタイン代表らは、今回の株主総会と東京地裁の決定については、
 「日本の株式市場に対する海外投資家からの不信を招き、日本企業への投資にも悪影響を及ぼす」
とコメントしている。

・ また、ブルドックソース側の対応についても、ほかの株主や、識者からは、次のような意見も出ている。

「スティール『撃退』のための『手切れ金』に23億円も使うのは、いかがなものか。もっとほかの手法はなかったのか」
「株主を『区別』するという手法は、いかがなものか。今後、経営側が恣意的に株主を区別・排除することになりはしないか」

〈もういっちょ、私の意見〉
・ 今回は、おおむね「撃退」できたようだが、今後はどうだろうか。

 話は飛ぶが、うちの地元 長州(山口県)で、100年以上昔の幕末に、「攘夷論」が流行ったことがある。攘夷とは、
「夷(エビス=野蛮な外国人)を打ち攘(はら)う。開国・通商に反対する」
という考え方だ。

 で、1863年のある日、馬関(下関市)の海辺に築いた砲台から、海峡沖を航行する、外国商船へ向けて大砲をぶっ放した。
 商船は、なんとか逃げ切ったらしい。
 当時の長州人たちは、「攘夷戦争に勝った」と大喜びしたそうだ。

 しかし、翌1864年。米英仏蘭の4ヵ国の軍艦17隻・兵5000人の艦隊が、馬関を襲撃。長州側は敗戦した。
 いまでも、下関市前田地区の砲台を、外国兵が占領した当時の写真が残っている。
 また、前田砲台跡は、いまも残っている。(碑があるだけの、草ッ原だけど)
 講和交渉が成立したものの、あやうく、市内にある島『彦島』は、租借地になるところだったらしい。もしかしたら、香港みたいになってたかも。

・ どうか来年、外国ファンドが「艦隊」(理論武装や、政治的圧力など)を連れて戻って来ませんように。(笑)

〈もいっちょ、識者の意見〉
 きょう4日付の日経朝刊『大機小機』欄に、要旨、次のような内容のコラムが載っていた。
 (私が抜き書きした内容なので、もしかしたら筆者の趣旨と違ってるかもしれません。その場合は、すみません)

・ 企業買収ルールは、たとえば英国では、シティ(ロンドンの金融街)コードが存在し、ルールが詳細に定められている。なので、たとえばスティールも英国では日本でのような振る舞いはできない。

・ シティにも米国の金融機関が多数進出しているが、そのルールを米国型にせよと主張する企業はない。

・ 日本は、資本市場が未整備だから怪しい株主が出現しやすい。しかも新会社法は世界でまれに見るルーズな法律だ。日本のルールの、水準の低さを熟知するファンドなどにとっては、天国のような状況だ。

・ 米国ルールが(日本の)株主総会で通用しているのだ。何たるお人よし、と言う他はない。

■国内企業どうしの「株主提案」や
TOBなどによる「買収」攻防戦


〈事実〉
 楽天とTBSとか、いろいろ。以上。(笑)(←テキトーで、すみません。すでに専門紙誌や情報サイトなどで、たくさん報道されているので、ここで屋上屋を重ねることもなかろうかと…)

〈私の意見〉
・勝手にやって。以上。(笑)
・ ただ、心配なのが、最近、「持ち合い」復古の動きがある点だ。

〈識者の意見〉
・ これについて、やはりきのう3日付け日経朝刊コラムで、
「持ち合いで株主権を封殺した(昔の日本の)法人資本主義は異様だが…」
と指摘されている。

・ これに関連して、「従来の、日本独特の資本主義」や、「株主総会の性質」が、変わってきたという指摘も多数あった。

■創業家の世襲・同族経営について

〈事実〉
・ 株主総会に限らず、この1〜2年、創業者一族の「世襲」や同族経営の功罪について、いろいろな会社の不祥事に関連して、報道・指摘されていた。

・ 今年の株主総会で話題になった1社として、テン・アローズがある。女子バレーボール元日本代表の三屋裕子氏が社長を務めていたが、株主総会で、創業家の再任案修正動議で他の取締役とともに解任された。

・ また、報道によると、大日本印刷〈7912〉の「世襲制」について、大口株主の米ファンドが「企業統治に疑問」として、来年の総会で改善要求を強める考えだと伝えられている。

〈私の意見〉
・ 創業家の世襲や同族経営は、「安定」という意味では良いのだろうが……うーむ…という感じだ。中小企業で、けっこうイヤな例を見ているので…。

・ 地元で、鉄鋼加工関係の小さな工場(といっても、地元では中堅企業)を経営している一族を知っている。その会社では、一族で社長以下の役員を占めている。

 一族の人たちは、高い年棒を取り、車はベンツ。家は何軒も持ち、あたりの地所をどんどん買っている。高いお店で札ビラを切り、キンキラキンなアクセサリーを(一族の男性も)つけている。ハワイにコンドミニアムを持っている。

 一方で、社員さんたちの給料は安い。役員さんが「気に入らない」と言うと、土下座して謝らければならない。土日に出勤する時もあるが、その時の手当ては、1時間500円のみだ。なので、皆、あまり休日出勤はしたがらない。当然だ。

 しかし、役員さんに言わせると、
「ウチの社員は、ホントに怠け者なんだから」
ということになる。

 まあ、これは極端な例だが…。でもこの会社、実在します。まじで。(笑)

〈ほかの人の意見〉
・ ウチの社内のベテランで、株だけでなく、企業の上場準備や財務にも詳しい人がいるのだが、その人はよく、
「経営権を手放したくないなら、株式を上場しなければいいのに」
と言う。

■会社は誰のもの?

〈私の意見〉
 会社は誰のもの?という疑問に対する答えは、いろいろあるだろう。

 私自身は、そこで働く人と、その会社の製品・商品・サービスを求めるユーザーや消費者のためだと思う。

 もちろん、起業する人は、立派だと思うし、大変だと思うので、創業者本人や一族が、創業者利益を求めるのはわかる。
 また、株主さんが、
「大事なお金を賭ける(?)のだから、ちゃんと還元してほしい」
と言うのも、わかるが・・・。

〈識者の意見〉
 以前、日経夕刊のコラムで、日本の大学教授が、経営学者ピーター・ドラッカーの理論を踏まえ、次のように指摘していた。
(私が抜粋&まとめたものなので、筆者やドラッカーの趣旨と違っているかもしれません。その場合は、すみません)

・ 株主中心主義による会社統治、たとえば投資ファンドのやり方では、企業の持続的な発展を阻害する可能性が高い。
・ 社員中心主義は、内部指向の自己満足に陥り、社内政治を増長させる危険性がある。
・ 顧客中心主義ならば、顧客との相互作用のなかで、双方が進化していくことが可能だ。
・ 会社が、社会的に善い目的を掲げた時に、社員を内面的に動機づけ、グローバルな市場競争力を高め、知識創造とイノベーションを促進することができる。
・ その帰結として、その会社は競争優位を持つことになり、結果的に、株主へ利益が還元される。

――という内容だ。
 私としても、このあたりが落としどころかな、と思う。

 これは、近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)じゃないか。なんだ、日本人は何百年も前から、適正な儲けと社会貢献・信頼を両立させる商売をやっていたのだ。と思った。
posted by 田北知見 at 17:43 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | あの業界!こう見る

2007年06月21日

しおじい(塩川正十郎 元財務大臣)の講演を聴いた。

 日興コーディアル証券が20日に東京・台場のホテル日航東京でひらいた特別講演会へ行った。
 元財務大臣の塩川正十郎氏、愛称「塩ジィ」が『これからの政治・経済の行方』と題して講演を行なった。
 また、資産運用セミナーとして、『日興SMA』の紹介を行なった。

 塩川氏の講演要旨は次のとおり。(私が聴いてまとめた内容なので、不正確な部分や勘違い・聞き違いがあるかもしれません。ご了承ください)

■統治システムを変える必要性

 公安元長官への朝鮮総連の不動産売買問題、年金の記録漏れ、政治とカネの問題、公共事業の談合問題など、いま、役所がおかしい。
 これまでの日本の国民性から来ているのではないか。
 官尊民卑であり、「お上は正しい」「お上に逆らわない」という風土である。

 国の統治システムや政治のやり方を見直す時期に来ている。
 つまり、政治や行政の結果を、検査するシステムを強化するべきだ。

 現在の国の予算は、一般・特別会計合わせて約二百数十兆円。この使われ方を監視・検査している検査員はたった1400人ほどだ。
 一時、「ムダな公共投資」の代表例として話題になった、小田原市にある「保養施設」など、ムダなお金の使われ方を誰も監視していないし、国民は批判しないできた。
 予算の使われ方を監視・監督し、その行政の結果を評価するシステムに、テコ入れする必要がある。

 また、公正取引委員会で、談合や、経済的弱者への不当要求(たとえば、いわゆる下請けいじめ)など、もっと監視すべきところが多くある。が、人手がまわらないでいる。

■公務員制度改革についての提言

 統治システムで、変えるべき点は、もうひとつある。
 公務員の人事制度だ。

 現在、全公務員約32万5000人のうち、約2万人が「窓際族」(閑職)だ。
 たとえば、むかしの食糧管理法にもとづく部門に、まだ7000人の人員がある。自然減を図りつつ、現在、行なっているのは、各都道府県へ赴任し、農林統計を出す仕事だ。が、これは農協が行なっている仕事を二重にやっているだけだ。

 そうした人たちを再教育して、前述した検査・監視する部門へまわせば、予算(人件費)を増やさずに、前述の施策は可能だ。

 加えて、公務員の定年を上げるべきだ。
 現在、行政官は「上」のポストがごく少ないため、50歳くらいで天下り先へ行くことになる。脂の乗り切った年代の、優秀な人材が流出している。この層の人材を、必要な、大事なポストへまわす体制をつくることで、天下りも必要なくなる。

 また、行政官(現在約2万5000人)と一般事務職(同約30万人)は、待遇や定年の年齢を変えるべきだ。

■教育改革について

 教育改革については、焦点をしぼる必要がある。
 ここでは、「教師のあり方」と「教育格差」を挙げる。

〈教師のあり方について〉
 現在の教師は、全勤務時間のうち、教える仕事と事務仕事に、半々くらい時間を取られている。もっと「教える」時間を増やすべきだ。

 また、教師自身が、世間知らずで、苦労や、人としての心得を知らない場合が多い。教師の教育・養成システムも、やり直していくべきだ。

〈教育格差について〉
 もうひとつの焦点、教育格差について。

 世帯年収1000万円超と、同500万円以下の世帯の子供では、明らかに教育格差が出ている。
 学力の格差は、いい大学へいけるかどうか、ひいては、いい会社に就職できるか、ひいては、高い収入を得ることができるか、に直結する。そして、さらにその子供に再生産されるので、家庭の格差が固定化される。

 格差の拡大・固定化は、社会の安定を脅かす問題となる。

〈格差の一例――労働分配率を上げるべきだ〉
 大企業(上場企業約5000社)・中堅企業(非上場7000〜8000社)のデータでは、2001〜2005年の比較で、経営者の年収は90%上昇した。一方、従業員は6.6%下落した。
 労働分配率は、2001年に76%だったのが、2005年には46%となっている。つまり、あとの54%は、配当金、償却、役員賞与などにまわったということだ。

 中小企業(資本金1億円以下、従業員30人以下、約650万社)では、経営者の所得は5%減少、従業員は5%上昇した。
 ただし、もともとの所得格差があり、大企業の従業員の平均年収は780万円、中小企業は470万円である。

 企業が儲けるのは良いが、労働分配率を上げるべきだ。その流れをつくるような税制も必要になる。

〈格差解消のための提言〉
 格差解消のための、もうひとつの施策としては、学校でシッカリ教えることだ。予備校や塾が不要なくらいの時間と内容で。

 現在は、ゆとり教育とかいって、学校で教える時間は、週たった30時間。それで遅い時間まで塾に通っているのが現状だ。そして、そうした子供がいい学校に入る。

 たとえば、夜8時以降は塾や予備校は営業してはいけない、子供に学習を強要してはいけない、と決めてはどうか。
 そうすれば、子供は自分の時間がのびのび持てて、ほんとうのゆとりができる。

 文部科学省の机上の理論ではなくて、民間や現場の声を反映した施策を立てるべきだ。

■年金・社会保障・消費税増税について

 現在の日本の経済成長は、年約2%だ。今年は好況なので3%近く行くかもしれないが。
 高齢社会にともない、必要な社会保障費は年4%増といわれる。
 この差額の2%分を、どこから捻出するか。「国の財政は早晩行き詰まるのだから、消費税を上げよう」という議論になる。

 が、果たしてそれで良いのか。

 消費税の増税分が全て、本当に社会保障に使われるのか?
 そもそも、社会保障の額や制度自体が、今のままで良いのか?
 日本の社会保障制度は、もっとちゃんとすべきではないか?
 年金の事務は、これまできちんとしていなかったのではないか?

 たとえばアメリカでは、年2回、全加入者に、
「あなたがこれまで支払った金額は、これだけです」
「あなたが将来、毎月受け取れる金額は、これこれです」
と、レポートを送付する。

 日本には、そうした制度はない。「お上のやってることに間違いはない」と、「おまかせ」の国民性だ。未だに民主国家ではなく、官僚統制国家だ。
 国民が、前述のような疑問について、考える時期に来ている。

 私なら、
「あわてて財源確保のために消費税増税を行なう必要はない」
「たとえば、保険料負担と給付を、今後10年固定すると決める」
「これからしばらく上がり続ける社会保障費の、この部分だけは、一時的に増税して補う」
といった施策で良いと思う。社会保障費は、永遠に上がり続けるわけではないからだ。

 今夏の選挙は、「年金」が焦点のひとつとなりそうだが、政治の役割は、年金制度を「なおす」こと。そして、「これから、こうする」とビジョンを示せる政党・政治家に投票したいところだ。
posted by 田北知見 at 17:24 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(2) | あの業界!こう見る

2007年06月05日

「ふるさと納税」と、地方経済について

 きょう5日付けの日経新聞に、
「上場地銀、15%減益」
と報道されていた。

 記事によると、株式を上場している地方銀行89行・グループの、2007年3月期決算は、連結純利益が前年比15.2%減の6800億円となった。
 実質業務純益が伸び悩んだほか、不良債権処理損失も膨らんだ。
 不良債権比率、純利益の減少幅とも、大手銀行(都市銀行)に比べ、全般に状況が悪いという。

(ただ、もちろん、地銀・グループのなかにも優良行・グループはあって、地銀内でも、経営体力の格差が拡大している面もあるようだが。)

 ここでも、
「大都市(を抱える地域・自治体)と、それ以外の地方の、格差」
を、実感せずにいられない。

■ふるさと納税の、メリットとデメリット

 地方格差是正を図る政策のひとつとして、「ふるさと納税」が取り沙汰されている。

 納税者が、住民税の一部を、故郷などの自治体に納めるものだ。
 試算では、個人住民税(地方税)の1割程度で、2007年度税収見込みでは、1兆2000億円規模という。
 総務省は今月から、学識経験者らで構成する「ふるさと納税研究会」で、制度設計を始めている。

 私自身は、地方(山口県下関市)出身で、現在、東京都中央区に住んでいる。
 以前、このブログでも、「東京は『中央』ではない」とか「山口県下関市、うちのムラが一番」とか書いてきたとおり、かなり地元びいきだ(笑)。
 なので、
「ふるさと納税? いいじゃん」
と、単純に思っていた。地方格差解消の一助となるなら、尚さら良い、と。

 しかし当然、税制ってのは単純ではない。報道や、専門家の意見を見ると、ふるさと納税は、一長一短のようだ。(次に挙げるメリット、デメリットは、税制・行政のシロートである私がまとめた内容なので、間違ってたらすみません)

【メリット】

・ 地方で育ち(教育などを受ける=税金を使う)、大都市で働いている人の場合、受益者負担の「後払い」となり得る。
・ ふだんは都心に住み、週末や長期休暇は地方の別荘で過ごす人なども増えており(あるいは、今後、団塊世代の大量退職で増えるのではないかと見られており)、受益者負担の原則そのものを再検討する時期に来ている。(税金とは違う話だが、別荘地の水道問題とかを類推すれば、分かりやすいかも)
・ 納税者の「地元に頑張ってほしい」という志が伝わり、地域の自立が期待できる。
・ 地域活性化のツールとなり得る。
・ 税金の使われ方に対する納税者の関心を高めるきっかけになる。
・ 自治体間に競争的な環境を作り出すので、情報発信、情報開示、行政サービスの質や効率の向上効果が期待される。

【デメリット】

・実際のところ、税収格差是正の効果はあまり期待できない。
・ その場しのぎで地方税の配分ルールを変えると混乱する。
・ 各自治体は、毎年、どれだけの税収があるかという見通しが立てにくくなる。
・ 本当に収入が必要な地域に資金が回るか、疑問。
・ 「ふるさと」の要件に該当するかどうかを個別に認定する必要があるなど、税務執行上のコストが高くなる。
・ 自治体間に競争的な環境を作り出すので、PRなどの過当競争激化や、そのための余分な予算がかかる懸念がある。

【その他】

 また、ふるさと納税議論に関連して、
・ 地方間の税の水平移動ではなく、国から地方へのいっそうの税源移譲が重要。
・ 住民税だけでなく、外形標準課税(儲けの金額ではなく、事業規模に応じて課税する)の拡大等で、事業税をガッチリ取ることも議論すべきだ。
――といった意見も見られる。

■税金も、経済も、ただの数字ではなく

 先日、日経夕刊のコラム『十字路』で、
「明るい声が聞こえてこない」
と題して、地方経済はまだまだ悲惨だということが書かれていた。

 実はこのコラムで、大阪学院大学の国定浩一教授が書いている回、私は楽しみに読んでいる。これまでも、
「地方と中小への配慮を」
「格差、その現実の直視を」
「地方も傷んでいる」
「いざなぎ超えの幻、個人も企業もおきざり景気」
などなど、読んでは、溜飲を下げたものだ(笑)。

 先日のコラムには、こうした、これまでの内容を掲げ、
「日本の現実の、地べたの社会の移ろいが、目に見えるようではないか」
と書かれている。

 そのコラムの一部を、少し長いが、引用(要旨)する。

「5月に発表された本年1〜3月期の国内総生産の実質伸び率は年間算で2.4%であり、堅調な成長維持、とする報道が、各紙の1面を飾った。
 しかし、私の住んでいる大阪の紙面には、
『1〜4月の倒産件数をみると、関西が高水準で、自動車を中心に好調な中部の2.6倍』
とあった。
 関西では建設、飲食業、IT関連業を中心に、負債総額1億円未満の倒産が8割を占めているともある。
 これは関西特有の現象ではなく、地方、あるいは中小企業の象徴的数字だろう。」

 私は、税制も行政も、地方経済のこともサッパリだが、
「今回のふるさと納税の税制議論に限らず、机上の理論や、制度設計がどうの、という話だけではなく、生活者の実感を踏まえた議論をしてほしいなあ」
とだけは、生活者の1人として思う。
 税金を払うのも、使うのも、十把一からげの「国民」や、ただの数字ではなく、1人ひとり、仕事をし、生活をする「人」なのだ。
posted by 田北知見 at 18:22 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2007年04月04日

貼り付けてみた。

 AFP通信(本社・フランス、ピエール・ルエットCEO)は、クリエイティヴ・リンク(本社・東京、古角将夫社長)と共同で、ニュースコミュニティサイト『AFP BB』を展開している。
 きょうから、Seesaaなど、いくつかのブログ・ブログ運営企業と、アライアンスを提携。同サイトの写真と記事を、ブロガーが無料で使用できるサービスを開始した。

 きょう、東京・有楽町の日本外国特派員協会で、ひらかれた、記者発表に行ってきました。
 こんな感じで、



 写真とニュース記事を、ブログに使用できるそうです。
 とりあえず、入れてみました。・・・どおでしょうか・・・?
posted by 田北知見 at 17:06 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2007年01月19日

「ミスター円」の講演を聴いて

 トレイダーズ証券トレイダーズホールディングス〈8704・ヘラクレス〉)が、1月15日に、東京・六本木アカデミーヒルズでひらいた、為替セミナー『Mr.円 榊原英資氏が語る 2007年 為替相場見通し』を聴きに行った。

 ちなみになぜ証券会社が為替セミナーをひらくかというと、同社は、外国為替証拠金取引(FX)にもかなり力を入れており、証券事業と並んで、事業の半分くらいを占めているからだ。

■タフ・ネゴシエーター「ミスター円」

 榊原氏は、1941年生まれ。現在は早稲田大学教授を務める。
 1990年代に、大蔵省(当時)の国際金融局長、財務官を歴任。円ドル為替相場への「為替介入政策」で名をはせた。国内外のマスコミや為替ディーラーから「ミスター円」と呼ばれた人物だ。

 私も、20代半ば〜30代の初めごろ、ちょうど1990年代に読んでいた『ニューズウィーク日本版』で、時々、その名を見かけていた。
 記憶によると、それらの記事の雰囲気からは、榊原氏に対する敬愛が匂っていた気がする。

 今回のセミナーの質疑で、「大蔵省時代の為替介入について」質問が出た。
 榊原氏の答えは、要旨、次のようなものだった。

「米ドル・円の介入の場合、アメリカ側の了承が一番重要だ。国内では、大蔵大臣に、幅とおおまかな時期について了承を取り、あとはある程度、任せてもらった。総理には、もっとおおまかな了承をもらっていた。
 次に重要なのは、マーケットの流れを変えること。サプライズだ。多くの投資家等が予測しているのと逆のことをやると良い。タイミングなどもあり、やみくもに逆をやってもダメなのだが。心理戦争だ」

 その答えから、私は、
「きっと、アメリカ側からは、『サムライのようなタフ・ネゴシエーター』で、『ニンジャのようなトリッキーな施策を繰り出す』と言われていたのではないか。それで、アメリカ側からも尊敬を勝ち得ていたのではないか」
などと、勝手に想像したりした。

■米ドルからユーロへ

 もうひとつ、印象に残ったのは、「最近、なぜこんなにユーロが高いのか?」という疑問への答えが出たことだ。
 最近、ユーロが高い。たとえばきょうの夕方6時ごろで、1ユーロ157円台だ。

 ユーロ高の理由はふたつあって、ひとつは、キャリートレードによる、日本からの資金流出と、円売り・ユーロ買い、が加速していること。
 もうひとつは、世界経済のなかで、ドルに続く、第2の機軸通貨になりつつあること。

 年末年始にヨルダン、シリアへ旅行に行った時のことだ。
 私はいつも、途上国への旅行には、米ドルを持って行く。現地通貨や円よりも、使いやすいことが多いからだ。
 でもシリアの、あるお店で、「これはいくらですか?」と訊いたら、「10ユーロ」という答えが返ってきて、驚いた。東南アジアやエジプトでも、ドルで値段を言われたことはあるが、いきなりユーロで言われたことはなかったので。
 もちろん、現在のシリアとアメリカの政治的関係があまり穏当ではないこと、地理的にヨーロッパに近いこと、などはある。
 それを勘案したとしても、やはり、ちょっと大げさだが、「ドルからユーロへ」という、機軸通貨の変化の流れを肌で感じた気がした。

■講演で印象に残った点

 この他、榊原氏の講演で印象に残った点は、以下のとおり。(私が外国為替についてシロートなので、間違って聴いた箇所もあるかもしれない。その場合はあしからず)

● 今後の「円安」について

 日本は現在の低金利水準が続くと思われ、また、アメリカ経済の力強さ、欧州中央銀行の金利上げから考えると、今後さらに円安へ振れるのではないか。
 ただし、G7の「政治的圧力」の有無が日本の金利・為替に影響する可能性はある。
 アメリカからはとくに不満が出ていないが、欧州はすでに現在の円安に(フェアではないという)不満があるようだ。
 ただ、アメリカも、私の経験上、1ドル120円ラインで警戒感、125円ラインを超えると円安懸念が出て、ドル売り対応を始めていた。
 現在も同様だろう。もちろん、マーケットが基本だが、介入の可能性もある。介入した場合、10円程度、円高に振れると見ている。

● これまでと今後の為替相場

 この1〜2年、為替相場は金利相場で、もちろんマーケットがベースなのだが、日銀など中央銀行の動向がかなり影響していた。
 翻って、今年は、政治相場になるかもしれない。たとえば、今夏の参院選で自民党が惨敗すれば安倍政権が倒れる可能性がある。そうなると、為替や金利に影響を及ぼす。ただし、政治相場はかなり読みにくい。

● 中国について

 しばらくは9〜10%の経済成長を続けるだろう。とくに2008年の北京五輪までは、メンツをかけて政治、経済とも安定を図ると思われる。金利上げ、汚職摘発などの締め付けも強めている。5〜6年のタームでは、経済成長はゆるやかに減速していくだろう。

 中国の政治はトップ人事も含め、5年おき。次の期は温体制が持続する。その、次期の間に後継者が決まる。そのため、今年〜来年は経済を減速するわけにはいかない。

 中国共産党は、日本の自民党だという冗談もある。中国共産党の人は、「日本の自民党が目標だ」という人もいる(笑)。

 今、元と香港ドルが同じ水準になり、今後は元高がゆるやかに進むだろう。
 その間に、金融制度の自由化へ向かう。外国の金融機関が中国国内で商売をしたがっている。
 たとえば、昨年、ゴールドマンサックスが平均ボーナス7800万円等と報道されたが、その儲けのほとんどは中国で儲けたものだ。米中関係は実はかなり良い。それを安倍首相らはわかっているのだろうか。一部のマスコミでは中国たたきを盛んにしているが…。

 いわゆる第5、第6世代は内陸部の書記長から多く出るのではないか。中央トップは格差問題にかなり配慮している。

● アジア通貨と、ユーロ、ドル

 その他のアジアの通貨は、緩やかに高くなるだろう。個別事情はあるが、アジア経済は全般にしばらくは強い。世界経済の重心がアジアに移行しており、相対的には強くなる。10〜20年のタームでは、ポートフォリオにアジア通貨を入れると良さそうだ。

 インドは、今後もしばらく、2015年ごろまで9〜10%成長が続くだろう。
 中国との成長率は逆転するだろう。というのは、中国は一人っ子政策だが、インドは人口増加率が高い。若年層が多いという強みがある。中長期にポテンシャルがある。インドルピーは切り上げていくだろう。

 逆に、ドルは相対的に存在感を弱めるだろう。

 ユーロは第2の国際基軸通貨になり始めている。ドルの代わりにユーロを保有、という動きも出始めている。

 この5年くらいで世界経済は変わるのではないか。アメリカは相対的に弱く、中・印・アジアが相対的に強くなりそうだ。

● 今年の見通し

 私が大蔵省に在籍していた時代、とくに1980年代後半〜1990年代は、1985年のプラザ合意時239円から、1995年の1ドル78円、1998年の148円と、ボラティリティが大きかった。トレーダーのビジネスには良かった時だ(笑)。

 この5年ほどは、マーケットが平穏で、ボラティリティが少なかった。今年あたり、世界的にボラターになる可能性がある。株式も景気も企業収益も良い。日本経済は今年ピークかもしれない。米・中はすでにピークを迎えた。

 2007年は為替マーケットで、今後5〜10年の変化を先取りした動きが出てくるかもしれない。予測はしがたいが。世界経済の構造変化から、過去の罫線から予測するのは難しくなっている。
 この2年くらい、トレーダーやディーラーにとっては大変おもしろい時期になりそうだ。小刻みに売買して、儲けるチャンスもありそうだ。
posted by 田北知見 at 18:31 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2006年10月26日

外資系銀行の「資産運用セミナー」に行ってみた。

 日本の経済専門紙が主催し、米系銀行が協賛、米系経済専門紙が協力して行なった「資産運用セミナー」に、勉強のために行ってみた。

 入口受付で渡されたのは、講演の簡単なレジュメ(英語)、ウォールストリート・ジャーナル・アジア版(英語)、同時通訳を聞くためのお道具。
 うわー…。と、かなり緊張したのだが、内容的には、特に驚くような話は無かった。って、偉そうでスミマセン。

 米経済紙の編集長が、アメリカの個人投資の最近の動向について講演した。
 続いて、スポンサーの米系銀行から、日本語で、宣伝(プレゼンテーション)が行なわれた。
 最後に、上記の編集長と、経済学を専門とする日本人の大学教授がトークセッションを行なった。

 個人投資家へ向けたアドバイスで、私の印象に残ったのは、次の3点だ。

● リスクを分散すること。たとえば、預貯金、株式や投資信託、不動産、の3分野に、資産を3分の1ずつ分散するとか。なぜなら、預貯金でさえもインフレというリスクがあるうえ、老後など、先々のことを考えると、やはりある程度の運用益がないと却って不安ではないか。

● 株式投資などで個別銘柄に投資する時は、セミナーを聞いたり、いろいろなものを読んだりして勉強し、時間をかけて投資先を決めること。

● 専門家の助言を受けること。ここでいう専門家とは、金融商品を売る専門家ではなく、あなたの資産を増やしたり守ったりするための助言を行なうアドバイザーのことだ。


 私はこの世界に入るまで、株式投資というと、ギャンブルに近いものというイメージがあったのだが、最近は、資産運用のひとつの形としての認知度が高まっているのかもしれない。
posted by 田北知見 at 17:14 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | あの業界!こう見る

2006年09月22日

車、クルマ、くるま!

 先日の日経新聞に、アメリカの品質調査専門家 D.J.パワー氏のインタビューが載っていた。そのなかに、アメリカ市場で、韓国の現代自動車が日本メーカーを猛追していることに触れた箇所があった。
 パワー氏は、
「当社のブランド別の新車初期品質調査2006年版で、ドイツの『ポルシェ』、トヨタ『レクサス』に次いで、現代自動車の『ヒュンダイ』が3位に入った」
と指摘。
「25年前に日本企業から感じた、勝ち残ろうという強い意志を、現代自動車からも感じる」
という意味のことを言っている。「いずれ、日本メーカーにとって大きな競争相手になるだろう」とも。

 この手のことはこれまでもよく指摘されていたことだが、私のシロート目にもそれは感じる。
 数年前、確か東京・虎ノ門あたりだったと思うが、ピカピカの現代自動車の販売店が突然できていて、ギョッとしたことがある。しかも、すぐ近くにトヨタか日産の販売店があったと記憶している。

 海外旅行へ行った時も、時々感じる。
 昔は、北米やアメリカ合衆国系の国や島、それとアジアでは、日本車を多く見かけた。日本車をほとんど見かけなかったのはヨーロッパだけだ。国や地域や都市によっては、ふと気がつくと、自分の乗っているバス(私はツアーとかが多いので)の周りはほとんど日本車、という状況も時々あった。
 けれどもこの2〜3年だろうか、海外で「あ、日本車?」と思って車体を見ると「HYUNDAI」の文字が。数えたことはないが、感覚として、すごく増えている気がする。
 それと、ピカピカの大きなヒュンダイ販売店をよく見かけるようになった。なぜか近くにトヨタとかの販売店がある場所によく立地している。ガラス張りで、ピカピカの車を屋内に何台かディスプレイしてある、店のつくりも日本車店とよく似ている。
 コマーシャルもそっくりだ。白人のモデルを使い、美しいイメージ映像を使った韓国車のコマーシャルを何度か海外で見たことがある。

 小説とかでも、それを感じる。
 私はアメリカを中心とした海外のミステリーやサスペンスの翻訳ものが好きでよく読むのだが、昔は、小説に出てくる「トヨタ」とか「ニッサン」は、大衆車の代名詞だった。
 が、今は違う。スカした金持ち弁護士が乗っている車として登場したりして、高級車の代名詞となっている。替わって、「塗装の剥げたヒュンダイが…」みたいな感じで出てきて、韓国車が大衆車のイメージになっているようだ。

 ひところ、「アジアの経済成長や技術革新は、日本を先頭とする雁行型」みたいなことがよく言われていた。私は生活者の視点で、「クルマひとつ取ってもそうなんだなあ」と実感する。
posted by 田北知見 at 12:51 | 東京 ☁ | Comment(18) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2006年09月13日

一正蒲鉾〈2904・JQ〉さんの『旬菜小鉢』など。

 先月、一正蒲鉾〈2904・JQ〉さんの今6月期決算説明会に行った。(決算等の内容については、証券日刊新聞社の株式専門紙『証券日刊』9月1日号に掲載。また、別の内容で日本インタビュ新聞社サイト『経営者紀行』にも掲載しておりますので、そちらもご覧ください)

 ここだけの話だが(って思いっきりネットに載せているw)、説明会のお土産で同社商品の『旬菜小鉢』シリーズのお惣菜パッケージと、『風味とうふ』の和スイーツをいただいた。
 旬菜小鉢は、パッケージタイプのものにしては(って偉そうだな)けっこう美味しかった。しかも、パッケージタイプなので何日か置いておけるのがいい。冷蔵庫にキープしておいて、お弁当とか、家の献立とか、酒のツマミで「もう1品ほしいな」という時に使えそうだ。便利。
 風味とうふは抹茶と黒胡麻(だったと思うが、違ってたらすみません)。とうふでスイーツ!?とビックリしたのだが、これが美味い。ほとんど甘みのない抹茶や黒胡麻に、黒蜜の甘さがほどよく、甘すぎないのがいい。
 これらは通販でも扱っていて、個人のブログなんかでも「美味しいよ!」と取り上げられている。最近は、期間限定で「苺」と「栗」も出たらしい。

 今の消費者はオトナ(中高年)層が増えており、1軒あたりの人数も1〜3人くらいの家庭が多いようだ。手軽に、美味しいものを少しだけ食べたい、というニーズが高い。その要望に、ピッタリ合った商品だと思った。
posted by 田北知見 at 13:58 | 東京 ☔ | Comment(1) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2006年08月04日

北越製紙さんったら、モテモテ。

 北越製紙〈3865〉株が人気だ。きょうの前場は848円まで上がった。
 先月終わりごろからのTOB騒ぎだ。

 今年7月上旬、王子製紙〈3861〉が北越製紙に経営統合を申し入れていた。
 が、月末近くになって北越製紙はこれを蹴り、三菱商事〈8058〉の第三者割り当て増資と業務提携を発表した。第三者割り当ては1株607円とした。
 王子製紙は、
「そおか、俺の口説きに応じるつもりはないんだな」
と怒り(←イヤ、そんな話ではないのだが)、北越製紙株の敵対的TOBを発表。おととい(今月2日)から1株800円で実施している。ただし、上記の増資と業務提携が撤回されれば860円で、としている。
 日本初の国内同業種間の敵対的TOBということで話題をさらった。

 さらに、きのうになって日本製紙グループ本社〈3893〉が北越株を対抗取得したと発表した。
 ステキなホワイトナイトの登場…と思いきや、そう美しい話でもなかった。業界2位の同社にとっては、北越が、業界1位の王子の傘下に入ってしまうと、売上高で2倍くらいの差がつけられてしまう。それを防ぎたいらしい。
 北越製紙の株価は先月末からのTOB騒ぎで、それまでの600円台から一挙に800円台へ乗せ、直近高値840円まで買われたのだが、きょうの前場はさらに上がったわけだ。

 北越製紙さんったら、モテモテ。うらやましいわ。(←イヤ、そういう問題ではないのだが)

 最近の製紙業界は原燃料高によるコストアップを、売価へ転嫁している。1社が値上げをすれば、同業他社も追随できる。もちろん、最大限の効率化努力をしたうえで、ということはわかる。他の多くの業界も同様の状況だし。
 今回の、株式による「陣取り合戦」も、国内紙パルプ市場が頭打ちのなかで、勝ち残りをかけた戦いなのだ、ということもわかる。
 しかし、その原資は、もとはといえば、消費者が(直接または間接的に)出した商品代金だ。陣取り合戦の「戦費」のために、コピー用紙や書籍・雑誌代やティッシュペーパーやトイレットペーパーの価格が上がったりしませんように。と、消費者としては思ってしまう。

 きょう前場の王子製紙と日本製紙Gの株価がさえないのも、市場が「NO」と言っているのでは? と、うがった見方をしてしまう。イヤたぶん、単に「割高な株を無理して買っている」ことが悪材料になっているだけだろうが。

posted by 田北知見 at 11:59 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | あの業界!こう見る

2006年07月24日

身近な「人件費上昇」

 最近、景気回復にともない、採用難だとか、人件費が上がったといった報道を見るようになった。きょうの日経でも、「厚生労働省は地域別の最低賃金を今年度の改定で0.5%程度引き上げる方針」と報道されていた。
 私個人としてはあまり、賃金上昇傾向の実感はないのだが(笑)、毎日行くスーパーではそれを感じる。
 時々行く、大きめのチェーン店では、夕方6〜7時台の最も混んでいる時間帯は、食品フロアのレジが5〜10台くらい稼動しているのだが、そのうちの1〜2台に40〜50歳代の男性が入っている。これは私の勝手な推測なのだが、店長とかの社員でかつ管理職の人が、ピーク時は、管理職としての通常業務はいったん擱いて、レジに入っているのではないか。ピーク時に合わせてパートタイマーを雇うと経費がかかりすぎる、ということなのだろう。
 別の、地元の小さな個人営業っぽいスーパーでは、何人かの外国人がレジ打ち業務をしている。名札を見ると、中国系の人たちらしい。偏見が入っているのかもしれないが、値段の読み上げは聞き取りづらいし、商品の扱い方が乱暴なのでイヤだなあと、客としては思うのだが、これも人件費抑制のために仕方ないのだろう。
 景気回復にしろ何にしろ、私はいつもシワ寄せは最初に、恩恵は最後に受ける立場だな、といつも思う。
posted by 田北知見 at 10:50 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | あの業界!こう見る

2006年04月27日

北京の蝶

 ここ1〜2年来の原油高は、まだ続いているらしい。
 アメリカでは石油備蓄を一時停止するそうで、それにより、需給緩和が期待されている。
 各業界やメーカー各社では、すでに価格転嫁を一巡させたようだが、きのうの報道では、燃料高を転嫁して、長距離フェリーの値上げが相次いで実施されたそうだ。この1年半で3〜4回目の値上げだとか。

 私はゴールデンウィーク中にお休みをいただき、旅行へ行く予定なのだが、航空会社から、
「燃料サーチャージ」
を、なんと1万数千円も取られてしまった。昨年は、同じくらいの航行距離で数千円だったのに。
 旅行代理店のカウンターで担当者の説明を聞きながら、
「原油高がまわりまわって、こんなところで私のお財布に影響を・・・」
と、呆然とした。
 北京の蝶・・・とか思ったりしたが、ちょっと違うか(笑)。
posted by 田北知見 at 10:22 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | あの業界!こう見る

2006年04月26日

きょうの日経

 今朝の日本経済新聞は良かった。

 『春秋』欄では、チェルノブイリ原発事故や水俣病、JR福知山線の脱線事故を引き合いに出し、企業側や官僚組織について、
「被害者の痛みに思いが至らない心に、安全文化は育つのだろうか」
と危惧を示している。

 社説では、チェルノブイリ事故を教訓に、原子力利用の、
「安全文化の醸成を妨げないよう、留意する必要がある」
と指摘している。

 総合・政治面のトップは福田康夫・元官房長官の講演で、見出しは、
「対アジア 修復が急務」。

 きょうはチェルノブイリ事故からちょうど20年。
 JR尼崎事故から1年。
 だから春秋や社説で取り上げたのはわかる。
 福田氏は自民党総裁選への出馬が取り沙汰されており、同じ派閥内の立候補者候補(←ややこしいなw)安倍晋三・官房長官との差異を明確化し、穏健派の支持を集めようとして、そうした発言をしたのであろうこともわかる。

 でもそれでもやはり、新聞の良心みたいなものが伝わってきてうれしかった。
 私は日経を読み始めてまだそんなに年数が経っていないのだが、朝日新聞や毎日新聞を読み慣れた目には、日経新聞の紙面からは、
「企業すり寄り御用新聞」
「人間は、儲けてナンボ」
みたいなニオイが感じ取れて、なんかやだなとずっと思っていた。(朝日や毎日がそんなに正義にあふれた素晴らしい新聞かどうかは、それはそれでまた議論の余地のあるところだが)
 そおかあ、日経にもちゃんと新聞人らしい、まっとうなことをまっとうに言える書き手・編集者も存在するんだあ、と、ちょっとうれしかった。
posted by 田北知見 at 10:36 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | あの業界!こう見る

2006年01月27日

アウンコンサルティング(2459・東マ)

aun.shida.gif
IT起業家も、いろいろなのだ

 アウンコンサルティング(2459・東マ)は1月26日に、2005年11月中間決算説明会を開いた。(概要は経営者紀行http://keieisya.seesaa.net/に掲載)
 同社は信太 明(しだ・あきら)社長が1998年、30歳になる年に起業したIT企業。信太社長の説明で、好業績、独自のノウハウによる独自の事業、今後の新事業といった内容のほかに、私の印象に残ったのは次の3点だ。
 ひとつは、会社概要紹介のレジュメページに、同社の入居している東京都千代田区のTDCビルの写真がなぜか挿入されていること。「うちはIT企業ではありますが、ヒルズ族ではありません」と言っているように見えておもしろかった。たぶん、私の考えすぎだろうが。
 もうひとつは、質疑応答で人材の流動性についての質問が出て、信太社長がこう答えたこと。
「いま当社で使用しているSEOとP4Pのノウハウは私がつくったものなので、人が流出するとノウハウがなくなる心配はない。私がつくったノウハウを社員に伝授し、そこに新たなノウハウが加わり、焼き鳥屋の秘伝のつけダレのようにどんどん濃くなってきている。
 社員の平均年齢は27.9歳と若く、ひところは24〜25歳の若手の退職が多かった。が、ここに来て落ち着いてきたし、ノウハウを持つコア人材が流出したことはない。当社は人間関係を築き、互いに成長しようとする社風。一般的に言われているITベンチャーのように、人が次から次へ替わることはない」
 もうひとつ印象に残ったのは、ITの専門用語について質問が出た時。信太社長は「それは、こういう意味だと思います。あまり一般的に使われてはいませんが」と説明したあと、「あ、でも調べときますね」とニコリと笑った。
 若くして起業し、独自の技術を持ち、それでいて気配りもできる経営者。すごい。
 ひとくちに若手のIT起業家といっても、いろいろなのだ。
posted by 田北知見 at 14:09 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | あの業界!こう見る

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