2006年07月18日

『キッチンカブー』で
最も軟派な(当社比←当社って何だ?)
私の原稿

 NSNさんの株式投資情報サイト『キッチンカブー』
http://www.kaboo.co.jp/
の有料ページの1コーナー『トレンド・ウオッチング』に書かせていただいていることを、以前このブログに書いたが、今月から、無料ページにも『企業・ウオッチング』として載せていただいている。どちらも毎週月曜更新だ。
 内容は、わりかし私的かつ日常的な場面から、銘柄を連想し、そのなかでとくに優良だと思われる銘柄を3つ挙げて解説している。
 キッチンカブーサイトを見ると、ほかの方々のコーナーはカッチリしたプロっぽい原稿なのだが、そのなかで私の原稿は「あそこに出かけた」だの、「何を買った」だの、なんだか軟派な感じである。もちろん、銘柄は真剣にやっているけれど。
 まあ、私のコーナーは肩の力を抜いて読んで参考にしていただければありがたい…ということにさせていただこう(笑)。


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2006年06月05日

潔い人、しぶとい人

 村上ファンドの村上世彰代表が、きょう午前11時から東京・兜町の東証でひらいた会見で、東京地検特捜部が捜査している証券取引法違反(インサイダー)を認めた。そのうえで、村上ファンドの代表を退くという。ファンドは今後も継続されるが、継続者には「物言う株主」路線は継続していってほしいとも言っていた。
 なんともはや潔い。(もちろん、とっとと認めてとっとと終わらせたい、という意図もあるだろう。あまりいろいろ長引かせると株価への悪材料にしかならず、自分たちの損になるから)。会見で喋る姿にもカリスマ性が感じられた。
 以前、逮捕されたライブドア前社長の堀江貴文容疑者(容疑の内容とかは全然違うが)とは好対照をなしているように見える。堀江容疑者のしぶとさは、日本人好みではないが、粘り腰ってカンジで、それはそれでスゴイと思った。

 堀江貴文の時も思ったし、辻元清美の時も、野村沙知代の時も思ったし、今回も思った。マスコミに出過ぎると、なぜかああいう目に遭うのね。見せしめ…? まさかね。
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2006年05月16日

ひとケタちがう

 去年、イタリアのナポリに行った時。港ぎわに石造りの城があったので、現地人ガイドさんに訊いてみた。
「このお城は、いつのものですか?」
 カルロス・ゴーン日産社長似のガイドさんは、こともなげに答えた。
「800年前。平安時代です」
 えっ? と思った。800年前は平安時代じゃなくて鎌倉時代だ。いや、そこに驚いたのではなくて。
 そんな古い建物が、ふつうの地方都市に、ふつうに建っていて、とくに特別な存在ではなく、市内にいくつもある観光名所のひとつにすぎず、ふつうに公開されていて、観光客はふつうにその建物に入って行く。
 日本にも、1000年くらい前の建物とか、現存していなくはないが、だいたいは、ものすごく重要な文化財となっていて、柵で囲われていて外からしか見れなかったりとか。実際は、後世に建て直されたものだったりとか。
 その何年か前に、フランスなど欧州内のほかの国に行った時も同じように驚いたのだが、やっぱり、ヨーロッパってスゴイと思った。

 今年のゴールデンウィーク中、私はエジプト旅行に行ったのだが、さらにスゴイと思った。
 5000年前とか3000年前の建造物が、ふつうに建っているのだ。ピラミッドは有名だが、それ以外にも、全国あちこちに、それくらいの古さの神殿だの何だのがたくさん建っている。
 2000年前の地震で倒れた石像が、そのまま倒れていたりとか。スゴイ。
 数百年ではない、数千年の単位なのだ。
 負けた、と思った。イヤ別に、こういうことに勝ち負けはないのだが。

 以前、石油関係の会社にお勤めの人と話をしていた時。
 私は歴史が趣味なので、100年くらい昔の話をされても、
「そんなの、最近じゃん」
って思っちゃうんですよね、みたいな話をした。
「何百年とか、何千年とかのスパンで考えちゃうんで」
 するとその人は答えた。
「うーん・・・、僕なんかは、何万年前とかで考えるからなあ・・・」
 その人は、地質学が専攻で、石油の埋蔵などを探査する技師だった。
 負けた、と思った。別に勝ち負けはないのだが、なんとなく。
posted by 田北知見 at 11:29 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(2) | 〜について思ったこと

2006年05月09日

偏見は、無いほうが

 連休中、エジプト旅行に行った。といってもツアーで、添乗員さんについて行っただけだが。
 私にとって、イスラム国の本格的な旅行は初めてだった。(インドネシアとマレーシアに行ったことはあるのだが、どちらもリゾートで、ほとんど街なかには出なかったので。)
 イスラム教徒の人たちは、たとえば私たち日本人とは、かなり違う。
 と、思っていた。
 でも、実際行ってみると、そうでもなかった。

 自由時間に、1人で街を歩いてみた。(といっても、泊まっているところの周辺を歩いただけ)
 道端に椅子を出して水たばこを喫っている人たちを見ていたら、
「これはシーシャというんだ」
と説明してくれて、
「喫ってみな」
と勧めてくれた。ちょっと怖かったので、遠慮したけど。
 道端に椅子を出してごはんを食べている人を見ていたら、
「これはターメイヤ(豆のコロッケ)、これはエイシ」
と教えてくれて、勧めてくれた。
 たくさん取れと勧められたのだが、お腹が心配だったので、エイシ(パン)を1センチくらい、チーズらしきものを1センチくらい、いただいた。
 子供たちは、すれ違いざま笑顔で「ハロー」とか言うし。

 でも、一度、モスク(お寺)のミナレット(塔)を撮ろうとしていたら、足元に水をかけられそうになった。
 道に水を撒いているところだったのだが、どう見ても私を狙っているので、
「これは・・・・・・撮るなってことかな」
と思って、カメラをしまって早々に立ち去った。
 別のモスクでは、外から眺めていただけなのだが、お兄さんが2人、怖い顔をして、
「ヒジャブ(スカーフ)をしてないと、ここへは来ちゃダメだ」
と追い払われた。
 また、半そでシャツと半ズボン姿の私に、
「そんな罰当たりなかっこうをして」
と咎めるような視線をけっこう感じることがあった。
 そういう時は、
「私は今、イスラム教の国にいるんだなあ」
と、ちょっと緊張して襟を正してみたり。

 現地人ガイドさんは言っていた。
「イスラムの人のうち、テロリストは0.0000000・・・・・・1%です。あとは皆ふつうの人たちです」

 海外へ行くと、いつも思うのだが、日本と同じで、いい人もいれば、そうでない人もいる。生活習慣や価値観は違うのだろうが、人間としては、同じだ、と思う。当たり前か。w
posted by 田北知見 at 18:09 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 〜について思ったこと

2006年04月28日

南洋の衝撃

 過日、ギャバン(2817・JQ)の決算説明会に行ってきた。
(説明会の内容等は株式会社日本インタビュ新聞社のサイト『経営者紀行』http://keieisya.seesaa.net/と、株式専門紙『証券日刊』の、きょう4月28日号に掲載したので、よかったらご覧ください)

 いただいた資料のなかに、同社の創業と社名の由来が載っていた。
 創業者の吉田清氏が、戦時中にインドネシアのどこかの島で聴いた、現地の民族音楽の音色がずっと印象に残っていたそうだ。その楽器が現地の言葉で「ガバン」と呼ばれていたらしい。そこから当て字で「GABAN」(ギャバン)としたのが社名の由来。
 戦後、合成品の胡椒が多い時代に、米軍が放出した、本物の胡椒の香り高さに、吉田氏は衝撃を受けた。これを扱うビジネスをしようと創業したのが同社の始まりだという。

 これを読んで、私は吉田氏の衝撃がわかる気がした。(←おおげさか?)
 私は3年ほど前に、インドネシアのバリ島へ旅行したことがある。東南アジアは初めてだった。
 ガツンとやられた。
 見るもの聴くもの嗅ぐもの味わうもの、すべてが私には初めてだった。

 空気は香辛料の香りがしていて、太陽がカンカン照っているわけではなく、気温じたいもそう高くないのに、じっとりと汗ばんでくる。湿度が高いせいだろう。
 木々や草々は鬱蒼としていて、色も密度も、とにかく濃い。
 初めて浸かったインド洋は、波が恐ろしく荒かった。骨太な荒さとでもいうのか、もうホントにドカンとぶつかって来る。地元では「海には魔物が棲んでいる」という迷信があったそうだが、実際、波にさらわれて死ぬ人が多いんだろうなと容易に想像できる。
 音楽は、リズムも音階も初めて味わうものだった。西洋の、クラシックやジャズやロックやポップスなどのソフィスティケイトされた音楽とは違う。日本を含む東アジアの、やわらかくもの悲しいメロディとも違う。複雑で、奥深くて美しい。
 絵画も、やはり独特だった。西洋や東アジアのものとは違うし、それでいて、アフリカやネイティブアメリカンやアボリジニ・アートなどのプリミティブ・アートとも違う。

 そして、料理。
 日本の「激辛料理」は、往々にして、ただ辛いだけのものが多い。
 バリ島で食べた料理は違った。音楽と同じだった。複雑で、奥深い。ひとつひとつの香辛料の味・香り・風味はしっかりあるのだが、それでいてちゃんとハーモニーになっている。
 私はそれまで、しょうゆ系のしょっぱい味か、ニンニク系やサカナ系のくさみが一番おいしいと思っていた(日本料理やチャイニーズ、イタリアンなど)。また、フレンチとかの、たとえばチーズやクリームの乳の味じたいを楽しむとか、ハーブの風味を楽しむことくらいは知っていた。
 本物の香辛料を使った料理は、繊細な日本料理や手の込んだフレンチと同じくらい、高度に洗練されている。すごい、と思った。

 というわけで、吉田氏の受けた衝撃が、(勝手にだが)想像できる気がするのだ。・・・やっぱり、おおげさかな(笑)。
posted by 田北知見 at 09:41 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | 〜について思ったこと

2006年04月24日

ケチとPC

 家で使っているパソコンが壊れた。
 高度かつ複雑なシステム上の不具合・・・というわけではなく、スイッチが機械的に壊れて入らなくなった。とんだ落とし穴だ。
 家電は(私にとってはパソコンも電子レンジと同じ家電なので)いったん買ったら10年以上使う、と決めているので(←ケチである)、修理を頼もうと思ったのだが、技術者に来てもらうだけで数千円〜1万円くらいかかると聞いてやめた。どっちにしても、そうとう古いウインドウズ98である。すでに減価償却は終えているというか、代金のモトは充分取った。
 というわけで、東京・錦糸町のヨドバシカメラに新しいのを買いに行った。
 壊れたのはモニターだけなので、本体やマウスやキーボードやプリンターはそのまま古い物を使うつもりだったのだが(←やはりケチである)、結局、セット買いのほうが簡単で割安だというので、そうした。パソコン上級者はネットとかで部分買いをして自分で組み立ててしまうのだろうが、私には無理だ。
 その方面にはまったくうといので、商品選びはすべて店員さんのお勧めにしたがった。パソコンは日立の、ひとつ前の型を安売りしていたものにした(←どこまでもケチである)。
 組み立てや配線は、私には無理だと思ったので、サービスを頼んだら、2万円ちかくも取られてしまった。そのうえ、実際に担当者がうちに来てやっているのを見ていたら、超簡単そうだった。今のパソコンって、組み立てらしい組み立ては必要なく、配線も簡単、ソフトは最初から入っているのね、知らなかったわ。
 というわけで、
「自分でできたのにー。くやしい、お金かえして」
と思ってしまった(←とにもかくにもケチである)。
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2006年04月20日

いつか見た風景 その2

 最近、人手不足らしい。
 景気が回復しているうえ、来年から団塊の世代の大量退職も見込まれている。
 報道でもよく取りざたされる。
「どこどこの企業では、女性を活用するため、昔の総合職と一般職の折衷のような職掌を設けた」とか、
「不況期に正社員の職にあぶれた若年層に再挑戦の場を」とか。

 ある事務機器会社の管理部門の人は、
「募集しても、人が来なくて困る」
と嘆いていた。
 彼が言う「募集している人」というのは、人件費をあまり使わずに、立場の不安定な派遣で働いてくれる女性の一般事務職のことである。そう言う本人は正社員で男性の管理職である。

 私はバブル世代だ。就職活動をしている頃がちょうどバブルの時で、就職した年がバブル崩壊直後だった。

 就活中の当時、ある宝飾・アパレル系企業の就職説明会で、
「大卒のかたには、入社したらまず店長職を経験していただきます」
と言われて驚いたことがある。
 たぶん、肩書きの魅力で人集めをして、かつ仕事の厳しさを身をもって経験させるための施策だったのだろう。
 確かに、学校出たての小僧や小娘がマネジメントを経験できるチャンスは、なかなかない。魅力的な申し出だと思った。希望の業種ではないので、行かなかったが。
 その後、その企業は業績が悪化して、一時期、その報道をよく目にした。
 知り合いの知り合い程度の男子や女子が入社したと聞いた気がするが、今でもずっと勤めている、という話は聞かない。

 また、ある医薬品専門商社では、
「女性の営業を積極的に採用しています」
という触れ込みだった。
 集団面接の時にその理由を質問すると、
「いやまあ、イメージアップのためというか・・・。なのであまり難しい仕事はさせませんから安心してください」
といったような答えが返ってきた。
 後でわかったのだが、どうも、今は人手が足りないが、バブル崩壊の予兆から、先々は要らない。女性社員ならリストラしやすいし、または結婚や出産で数年後には辞めてくれるだろう、と見込んでいたらしい。
 なんかこの会社、やばそう、と内定辞退しといてよかったと思った。
posted by 田北知見 at 10:45 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(3) | 〜について思ったこと

2006年04月18日

ホタルイカでキュッと

 先週あたりだったと思うが、日経新聞の(しかしこのブログ、日経ネタが多いな)商品市況面に「ホタルイカの卸値上昇」という記事が載っていた。
 理由は、悪天候と生育遅れで供給量が少なめだったため。
 しかし今月下旬には出荷量が増えて、卸値は下がると関係者は見ているそうだ。

 私はホタルイカの沖漬けが好きで(というか下関出身なので、ウニとかそっち関係は軒並み好きだ)、これで日本酒をキュッとやると、んもー、たまらん。お酒はできれば、越後の辛口さっぱりタイプか、京・伏見の奥深い複雑な味のものが飲みたい。
 20代のころ、一時期、
「いつかホタルイカの産卵シーズンに富山へ行き、海で光るホタルイカの群れを見たい。で、沖漬けをたらふく食べて(そんなに食べれるものではないだろうがw)、旨い日本酒を飲みたい」
と、うわごとのように言っていたことがある。いや、たわごとか。

 しかし最近このブログ、どんどん「ビジネス」から離れている気がする・・・・・・。
 しかしとりあえず、今夜は飲もうっと。
posted by 田北知見 at 09:34 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 〜について思ったこと

2006年04月14日

松本清張と「エリートぎらい」

 過日、日経新聞の『春秋』に、
「清張の純文学嫌悪は文学観よりも、エリートたちへの反発に根ざすようにも思える」
と書かれていた。
 以前読んだ、半藤一利の『清張さんと司馬さん』に、松本清張が編集者に、親愛の情をもって「きみたちは一流大学出のくせにそんなことも知らないのか」というようなことをよく言っていた、というくだりが出てくる(と記憶している)。
 半藤は東京大学卒。冒頭に挙げた文を書いた日経新聞氏もたぶん、日本経済新聞社に入社し、春秋を書くような立場にまでなっているのだから、一流大学出の人なのだろう。
 先日読んだ、やはり東大出の医者が書いた本にも、
「私は東大出だが…云々」
というフレーズが何度も出てきて閉口した。

 エリートの人たちって、
「おれはエリートだ」
とイシキしすぎているんじゃないかな。
 って思うのは、エリートでない者の僻みか。w
(ちなみに私にとっては、松本清張も半藤一利も、尊敬している作家だ。)

 ただ、以前、松本清張のエッセイを読んでいたら、
「学歴差別はいかん」
と書いているその同じペンで、男尊女卑的なこと(のように、私には見えた)を書いていたのを見て、愕然とした。まあ、時代的・世代的にしょうがないのかもしれないが、学歴差別はダメで、男女差別はオッケーというなら、それはリベラルではなく、単なる学歴コンプレックスだと取られかねない。
 なので、冒頭の日経氏がそう思うのも、わからぬではない。
 でも、やっぱりちょっと言いすぎじゃないだろうか?という気もする。
posted by 田北知見 at 09:49 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 〜について思ったこと

2006年04月10日

日本的な美

 司馬遼太郎とドナルド・キーンの対談を収録した本『日本人と日本文化』を読んだ。またもや古い本の話で申し訳ない。
 どういうものが「日本的な美」か、という話のなかで、そのひとつに、キーンは、陶器の、織部や志野のような、わざと「粗末に見えるようにつくられたもの」を挙げている。
 それに応えて、司馬は、千利休や古田織部の例を引き、京都・広隆寺の弥勒菩薩像の例を引く。そして、「日光東照宮のようなキンキラキンなものってあまり良くないね」という意味のことを言っている。

 私も、たとえば室町時代末期あたりにつくられた、真っ黒な、それでいて微妙な色合いを含む茶碗は美しいと思う(でも実は、柿右衛門の白や、九谷の黄色や、萩のベージュグレイも好きなのだが、まあそれはそれとして)。
 なんかアヴァンギャルド(前衛的)な感じがするよね、と思っていたのだけれど、実際に、そうだったらしい。
 司馬とキーンの話によると、応仁の乱(1467〜1477年)は革命戦争と位置づけられるそうだ。それから戦国時代へかけて、中世的な古い権威が崩れ、新しい価値観が構築された時期だった。
 わざと粗末さを演出したり、わざとひびを入れて接いだりして、それを美しいものだとするのも、それまでの「美」の概念に対する革命だった。
 私の好きな山田芳裕のマンガ『へうげもの』1巻で、真っ黒な茶碗をつくり、それで茶をふるまう千宗易(利休)に、羽柴(豊臣)秀吉が、
「こんな粗末な黒い茶碗をつくって、どうするつもりだ?」
という意味のことを訊くシーンが出てくる。
 宗易は答える。
「この国を、信長様(織田信長)は、武をもって、華の国にしようとしている。が、私は、芸をもって、さびの国にしたい」
 つまり、「新しい美の概念を創造したいのだ」というのである。

 それから500年ちかく経ったいま、実際にそれは、日本の美の典型のひとつとなっている。
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2006年04月06日

憧れの国

 リック・ボイヤーの「ケープ・コッド危険水域」(もちろん日本語への翻訳本)を久しぶりに再読した。1980年代に書かれた推理小説というかサスペンス小説だ。舞台はアメリカのボストンとニューイングランド地方の海である。
 主人公は40代の白人男性。ふつうの医者なのだが、偶然から事件に巻き込まれ、犯人を追って……というストーリーである。

 読んでいて思った。
「良くも悪くも、とってもアメリカ的だなあ」
と。
 主人公は、自分が何気なく言った一言のせいで、知人の青年が殺されてしまったことをとても気に病む。これが、犯人探しを始める動機となる。
 主人公は、奥さんと2人の息子を、とても大切にしている。
 主人公は、犯人追跡の過程で、暴力を含めたさまざまな困難に遭遇するが、決してあきらめない。
 それでいて、ユーモアのセンスを忘れず、スマートな紳士でもある。
 物語の最後のクライマックスでは、主人公はこれでもかという酷い目に遭ったすえ、自衛のために犯人を殺す。たぶん作者は、犯人を殺すしか助かる道はないという状況に主人公を追いつめ、
「正義は主人公にある」
と読者に納得させるために、主人公を酷い目に遭わせたのだろうと私は思った。

 同じようなつくりを、ハリウッド映画でよく見かける。
 ちなみに私は、1980〜90年代の、ブルース・ウィリスやアーノルド・シュワルツェネッガーやエディ・マーフィーやトミー・リー・ジョーンズが出てくるようなアクション映画が好きで、20代のころ、よく観ていた。
 スカッとするアクションがあり、笑わせて、ちょっとホロリとさせて。元気になりたい時に見るにはもってこいだ。
 そうしたハリウッド大作は、芸術的な観点からはいろいろ難があるのだろうが、娯楽としては一級品だと思う。

 私は10数年前、初めてアメリカ本土へ旅行で行った時、
「なんて豊かな国なんだ」
とビックリした。
 明治時代とか昭和時代の話じゃなくて、平成時代の話なのだが(笑)、ホントにそう思ったのだ。広くて、ものが安くて豊富で。人々は鷹揚で。
 ただ、為替相場が1ドル=80数円の時だったのと、日本はまだバブルの余熱があるころで、デフレ時代前の物価が高い時だったという理由もあると思うが。
 なにせ、私は中学生のころ、
「歳をとって死ぬまでに、アメリカと中国だけは旅行してみたい」
と思っていた。まだ、多くの人が気軽に海外旅行をする時代ではなかった。1ドルは200数十円だったし、中国は自由な旅行がまず不可能だったし。
 その後、状況は変わり、20代のうちにどっちも旅行できてしまった。

 憧れの国アメリカ。これからもずっと憧れの国でい続けてほしいなあ、と思っているのだが。
posted by 田北知見 at 09:46 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(3) | 〜について思ったこと

2006年04月05日

いつか見た風景

 中国の外貨準備高が2月末に約8537億米ドルとなり、日本を抜いて世界1になった、と報じられた。日本の財務省が3月上旬に発表した、2月末の日本のそれは約8501億米ドルだった。
 投資や投機的資本の流入、貿易黒字などによるものだ。また、中国政府(といっていいのだろうか、社会主義の国でも「政府」というのか?)が人民元の上昇を抑えるために外貨(米ドル)を購入し続けているからだ。

 外貨準備高が多い。ってどういうことだろう。
〈良い面〉
・その国の経済力の証明となり、国際的な信用力が向上する。
・国際的な影響力が高まる。たとえば、米ドルをたくさん持っていると米国、ひいては世界の金融市場を左右する力を持つことになる。
〈あんまり良くない面〉
・国内経済構造の不均衡、金融調整能力への影響、インフレ圧力となる。
・経常黒字が大きいということは、国内投資、つまり国内経済が不活発だと見られる。
・その外貨、たとえば米ドルが下落すると、自国の外貨資産が目減りする。

 必ずしも、いいことばかりじゃないんだ。
 中国の政府筋や銀行筋はすでに、内需拡大、貯蓄率引き下げ、市場開放、輸入拡大、中国企業による海外投資などの施策の必要性を指摘しているそうだ。
 同時に、欧米との貿易摩擦が悪化していることや、外資による中国での工場建設はピークをすぎており、これまでどおりのペースで黒字を積み上げることは難しいのではないか、という指摘も出ている。

 ……と書いてきて気づいたのだが、20年くらい前に、日本でも同じような単語をよく聞いてた気がする。円高を抑えるための米外債の購入とか、内需拡大とか、貿易摩擦とか……。

 あと、もうひとつ思い出したことがある。
 やはり10年くらい前、私は台湾へ旅行する機会があった。ちょうど「台湾の外貨準備高が日本を抜いた」と報道されたころだった。
 それで私は、
「あんな面積の小さな島で…?」
と、自分の国(日本)のことを棚に上げて思い、ツアーの自由時間に、政府(といっていいのだろうか、台湾でも「政府」というのか?)の関連団体がやっている物産館のようなところへ行ってみた。
 華々しい製品がたくさん並べてあるのかと思いきや、何かの部品や部材など、地味なものが多かった。
「……?」
 と思って帰国後、いろいろ読んでみたところ、たとえば、
「パソコンの、ある部分の構成部材については、世界シェアのほとんどを台湾企業が押さえている」
とか、そういうことらしい。独自の技術と経営戦略。そこが台湾の強みだった。
 加えて、軍事的、政治的な状況から、人々は、「いつどうなるかわからない」という意識を持っていて、そのために一生懸命、外貨を持ち続けている、という風に、私には見えた。
 とくに何か、世界経済を牛耳ってやろうとか、そういうわけではなかった。当たり前か(笑)。

 日本が外貨準備高の世界トップに初めて立った時も、世界の人たちはびっくりしたらしい。そして、「何を考えてそんなに外貨をせっせと買っているのか、不気味」とか「フェアじゃないビジネスをやっているからだ」などと意地悪(?)を言われた。
 なので、今回も「中国脅威論」なんてぶたずに、
「何事も、トップって大変なのよ」
と暖かく見守って(?)あげたいと思っているのだが。
posted by 田北知見 at 13:50 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 〜について思ったこと

2006年04月03日

新入社員

 今年度から社会人。きょう入社。という人も多いだろう。
 私がきのう買い物に行ったお店では、接客を担当してくれた人が今年度入社のフレッシュマンで、3月に研修を終え、店頭に出始めて数日目、という人だった。
「申し遅れました、わたくし……」
と言いつつ名刺を出そうとして、
「あ……あれ…?」
みたいな感じで、名刺入れがスーツのポケットからなかなか出てこなかったり。
 伝票の内容を1項目1項目を指差しながら、
「お届け先は、こちらでよろしかったでしょうか」
などと、お客(私)に確かめたり。
 最後には、
「何か確認し忘れたことはなかったかな」
みたいな感じで、自分のシステム手帳に首っぴきになっている。その手帳には、シャーペン書きで(←というところがまた、学生っぽいw)、仕事の流れや商品知識がビッシリ書き込まれていた。
 良くも悪くも、とても初々しかった。

 私も20代のころは(いや、今でもかw)、行き届かなくて、知らずに失礼なことをしていたり、力が至らなかったりした。だから、若い人たちのそういうのも、暖かく見守って育ててあげなくては、と思う。…ような年まわりになってしまったのだな、と思った。
posted by 田北知見 at 10:03 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 〜について思ったこと

2006年03月27日

桜、さくら……

 桜が咲き初めています。
 朝夕はまだ肌寒いですが、もう、春なのですね。
 今うちで使っている石鹸は「さくらの香り」のものです。アメリカのデザイナーさんが「日本の桜のイメージ」で調香したのだそうです。
 使いながら、
「どこかで嗅いだことのある匂い…?」
と思っていたのですが、思い出しました。
 桜もちの香りでした。

 ……乙女っぽいステキなエッセイ風にしようと思ったのだが、失敗した……。

 ところで、桜といえば、新入社員の季節だ。
 新入社員の皆さん、そして、もと新入社員の皆さん(←私もこのうちの1人)、お仕事、がんばりましょう。
posted by 田北知見 at 13:22 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 〜について思ったこと

2006年03月16日

地方と首都圏

 きのう、全国の市町村合併マップを見ていて発見したことがある。
 「発見」とはちょっと大袈裟だが。
 おらが村……じゃなかった、私の出身地である山口県は、合併がかなり進んで、県内のほとんどがいくつかの大きな市で埋まっている。
「やっぱし、行政の効率やら高齢化やら考えたら、合併せんと生き残れんけえねえ」
という地元の人の声が聞こえてきそうだった。
 一方、私がいま住んでいる東京都は、ほとんどない。
「人口も多いし税収も豊かですし、合併の必要性はございませんのよ」
という地元の人の声が聞こえてきそうだった。
 もちろん、これは偏見(?)であり、いろいろな状況や条件などがあって、全国一律、一概に合併を論じるべきでないことは、わかっている。合併の是非はいろいろあって難しい。行政の難しい問題について、シロートが勝手な感想を抱いただけである。

 地方と首都圏の両方で生活したことのある私は、いつも、
「地方と東京都心は、不平等だ」
と思っている。
 良いとか悪いとかではなく、ただ、「違いがある」と思う。
 東京都心に住んでいる人は、新鮮でないまずい食べ物や狭い空間(家賃や住宅ローン)に高いお金を払わされて気の毒だと思う。
 非人間的な満員電車に毎日1時間も2時間も立ちっぱなしなんて、大変だと思う。
 地方に住んでいる人は、古いしがらみとかにかんじがらめになる場合とかあって、大変なことも多い。
 大きな書店や美術館、博物館があまりなくて、楽しみが少なかったりする。

 一長一短。良いとか悪いとかではなく、ただ、「違いがある」と思う。
posted by 田北知見 at 10:51 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 〜について思ったこと

2006年02月08日

日はまた昇った…か?

 きのう7日、トヨタ自動車が2005年10〜12月期の連結決算を発表した。2006年3月期の業績見通しでは、売上高が日本の製造業として初めて20兆円(前年比8%増)を超えるという。純利益は1兆3000億円(前年比11%増)。
 おなじ日、米ゼネラル・モータースは「追加リストラ策」を発表した。昨年11月に打ち出したリストラ策に続く第2弾で、おもな内容は、配当金半減、役員報酬の削減、社外取締役の報酬半減などだ。
 好調な日本の自動車メーカーと、不調なアメリカの自動車メーカーの姿が、コントラストをなしているように見えた。
 ちょっと話は飛ぶが、英エコノミスト誌のビル・エモット編集長が、このほど、新著『日はまた昇る』を上梓した。同氏は、1990年に日本のバブル崩壊を予測した著書『日はまた沈む』で有名だ。新作では、日本と中国を比べて「最近、中国に押され気味の日本だけれど、底力はあるんだ。日はまた昇る(日本経済・産業は復活する)よ」という内容らしいが……
 最近、一部地域・業界では景況感が良くなり、株式市場も活況を呈している。ニッポン、完全復活…か?
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2006年01月31日

ドン・キホーテ対ホワイトナイト

 ドン・キホーテ(7532)がオリジン東秀(7579・東2)にTOBを仕掛け、オリジン東秀はいやがっていたところ、イオン(8267)が白馬の騎士として助けに入った。
 と聞くと、なんだかおとぎ話みたいだ。
 ドン・キホーテは深夜まで営業しているディスカウントショップでメキメキ頭角をあらわし、日用品から高級ブランド品まで幅広く扱っている。2005年6月期連結売上高は2327億7800万円(前年比20.7%増)と好業績だ。
 とはいえ、ドン・キホーテというと、17世紀スペインの小説『ドン・キホーテ』に出てくる、騎士かぶれの郷士の名前をまず思い出す。
 オリジン東秀は惣菜や弁当の販売店・オリジン弁当の会社だ。
 ドンキ側は昨年、オリジンの株式を約23%取得。さらに今年1月15日、ドンキがオリジンのTOB(株式公開買い付け)を発表したが、事前連絡も何もなかったようだ。オリジンは23日、取締役会でこのTOBについて反対決議を行なった。理由は、企業価値・株主利益を損なう恐れがあること、従業員の不安・動揺、客先や取引先の反対などだ。
 30日、総合スーパー大手のイオンが白馬の騎士として名乗りを挙げ、ドンキに対抗してTOBを実施すると発表し、一件落着となりそうだ。白馬の騎士はホワイトナイトともいい、敵対的買収を仕掛けられた会社を、救済的、友好的に買収や合併しようとする会社のこと。
 やみくもに突き進もうとするドン・キホーテに拉致されそうになったオリジン姫。あわやというところでイオン騎士が助けに…という場面を想像したら、ふざけすぎだとお叱りを受けるだろうか。
posted by 田北知見 at 17:41 | 東京 ☔ | Comment(1) | TrackBack(0) | 〜について思ったこと

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