2007年08月28日

『世界同時中継! 朝まで生テロリスト?』と、
『最後の生贄』を読んだ。

 先週末、おもしろい本を何冊か読んだ。

 とくにおもしろかったのは、
・ボリス・ジョンソン『世界同時中継! 朝まで生テロリスト?』(高月園子 訳)
・ケヴィン・オブライエン『最後の生贄』(矢沢聖子 訳)
・安野モヨコ『働きマン』4巻。

■深刻、かつ、お笑いテイストの『朝まで生テロリスト?』

 『朝まで生テロリスト?』は、イギリスのロンドンが舞台で、アメリカ大統領の来英に際し、中東系の人たちがテロを計画・実行して…というストーリー。

 サスペンスフルで深刻な内容だが、全体的にはお笑いテイストだ。

 キャラクターも、かなりデフォルメされているが、
「ああ…、こういう人、いるんだろうな」
と思わせる。

 ことなかれのイギリス人国会議員。
 野心あふれる美人のアメリカ人アシスタント。
 どんな時にも、何よりも「アメリカの国民にどう見えるか」を気にするアメリカ大統領。

 子供の時に、白人の養父から「頭の悪い黒んぼ」と罵られ、それだけが原因ではないが、それもきっかけのひとつとなってテロリストになった男の子。
 テロ行為によって、すばらしい死後の世界が待っていると信じている、中東系のテロリストたち。

 イラクに派兵された経験から、ちょっとおかしくなっちゃったアメリカ人兵士。

 事件に巻き込まれたセルビア人(たぶん、移民か難民としてイギリスに住んで働いている)は、助けを求めようとして、アルバニア人(これも移民か難民)に遭遇。逆に殺されそう(?)になったり。(背景に、コソボ紛争による両民族の確執があると思われる)

 笑えるし、でも涙なしには読めないところもあるし。
 しかもテロ・サスペンスだから、ノンストップだ。

■いろんな意味で恐ろしい『最後の生贄』

 『最後の生贄』の舞台は、アメリカのオレゴン州北部〜ワシントン州南部。
 主人公は30代の女性で、兄が上院議員に立候補しており、その選挙活動の手伝いをしている。
 約20年前の高校時代に、忌まわしい事故(事件)があった。関係者は全員、その記憶を封印していたのだが、今になって再び…というストーリーだ。

 これもノンストップ・サスペンス。これでもか、というくらい、どんでん返しに次ぐどんでん返しだ。
 そして、やはりいろいろなキャラクターが出てくるのだが、それぞれ、かなりリアルにえがかれている。

 議員に立候補した、主人公の兄と、周囲の一部の人たちには、私は、
「コイツら、アタマおかしいよ」
と思ったが、しかし一方で、
「本人と周囲が、これくらいの人じゃないと、アメリカでは政治家は務まらない(のし上がって行けない)のかも」
とも思った。
 イヤハヤ。殺人鬼より、よほどゾッとする。

■パノラマ式小説

 以上の2冊は、いわゆるパノラマ式というのだろうか、いろんな登場人物の視点からえがかれるタイプの小説だ。(対極は、主人公の視点から、一人称で書かれる私小説とか)

 私はわりかし、主人公の視点でずっと書かれていて、主人公との一体感が味わえるタイプの小説が好きなのだが、パノラマ式でも、それぞれのキャラがシッカリえがかれていれば、そしておもしろければ、オッケーだ。

 以前、読んだ本では、
・ロバート・フェリーニョ『チェシャ・ムーン』(深井祐美子 訳)
・ジェイムズ・W・ホール『大密林』『豪華客船のテロリスト』(いずれも北沢和彦 訳)
とかが、おもしろかった。


posted by 田北知見 at 17:50 | 東京 🌁 | Comment(1) | TrackBack(0) | よいこの読書感想文
この記事へのコメント
イスラエル国内で イスラム教 提案 ハンバーグ こぼれ話 野いちご 画面上へ 国際 政治 任期は年
Posted by ハンバーグ at 2007年08月29日 07:23
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