2007年08月03日

旅と本

 最近、モンゴル関連の本を何冊か読んだ。

 たとえば、
司馬遼太郎 『街道をゆく モンゴル紀行』
椎名誠 『草の海〜モンゴル奥地への旅』
開高健 『オーパ、オーパ!』(←これは再読。10年以上むかしに読んだ)
などだ。

■シンプルで潔い生き方

 また、確か、司馬遼太郎の対談集『東と西』だったと思うが、司馬と開高の対談が載っていた。(ゴージャスな顔合わせ!)

 開高が訊く。
「モンゴル人の食べ物は、たとえば羊をさばいて、岩塩で味をつけてゆでるだけだ。あの国の人々は、むかし、食い倒れの国(中国)をも征服したはずなのに、なんでトウガラシひとつ持たずに(草原へ)去ったんやろか」

 司馬は答える。
 ひとつには、遊牧民族なので、地面を引っかくような行為(農耕)は蔑んでいるから。
 もうひとつは、遊牧民族なので、余計な荷物は持ちたくないから。

 開高は、その対談でだったか、上記の著書にだったか、
「むかし、あんなに広大な土地を征服したのに、遺跡や墓など、ほとんど何も残っていない。そのクリーンさ、シンプルさは、なんなのだ」
「この大草原では、そこまで潔く生きないといけないのか」
という意味のことを述べていた。

■モンゴルの良さが解るかどうか、試される大地(?)

 以前も書いたけど、むかし椎名誠が、確か『SINRA』誌に、
「モンゴルはいい。ただし、遊牧民から手渡される馬乳酒に、馬の毛が入っていたりする。それを、イヤだと思うような人には、モンゴルの良さはわからない」
といったような、挑発的なことを(←イヤ、誰も挑発してないって)書いていたと記憶している。

 また、10年くらい前、大阪民族博物館に行った時、ちょうどモンゴル展をやっていた。
 ロビーに、ゲル(遊牧民のテント)が展示してあった。実際に現地で使われている物だ。
 中に入ると、馬の匂いがした。馬など、どこにもいないのに。

 私は、
「ああ、なるほど、これがモンゴルなんだ」
と、少しわかった気がした。
 その時、一緒にいた人は、
「馬のニオイが、ちょっと……」
と言っていた。
 たとえば、椎名が書いていたのは、こういうことなのかな、と私は思った。

■本と旅

 というように、私は、たとえば司馬遼太郎の本や、椎名誠、開高健の書いたものが、「そこに行きたい」という動機づけとなったり、旅行に行く前に予備知識として読んだり、あるいは旅行に持って行って、現地で読んだりする。

 たぶん、もっと上の世代の人たちは、それが、堀田善衞の『インドで考えたこと』だったり、小田実の『何でも見てやろう』だったり、沢木耕太郎の『深夜特急』シリーズだったりしたのかな。と思った。

 また、今の若い人は、どんなものを読むのかな? ネットで情報を得るので、本なんか読まないのかな。とも思った。



posted by 田北知見 at 20:53 | 東京 ☁ | Comment(1) | TrackBack(1) | 趣味に走ってスミマセン
この記事へのコメント
「旅本」というジャンルはかなり古いんじゃないでしょうか。
虚々実々でどこまで信じてよいやらわからないところや、案外「事実は小説よりも奇なり」であったりして・・・。

「東方見聞録」は硬派の部類ですか?。

「西遊記」も旅行記ですね。NHKの「シルクロード」で「花果山」が出てきた時には目からイクラが(イヤイヤ、株好きの方はこんな引用好きかなと思って、ジェスチャーつきで)出てくる思いでした。

旅行記と言えば「ガリバー旅行記」はまんま「旅行記」と銘打ってはいますが、これをガイドにして旅行はできなさそうです。
(ここまで書いて、ヤフートラベルでそんなツアーを組んだら「馬の国7日間29,800円〜」)どうかと思いました。イギリス好きの人はそういうウィットに反応して、それだけで来るかもしれません。

「水戸黄門漫遊記」これはフィクションですが、全日本人に日本中を旅させる力があります。
どこに行っても90%は悪代官を懲らしめる話ですが、悪代官の悪さの中身がご当地の産品を巡る不正だったり、八兵衛が名物を食べ過ぎたりして、それなりに諸国漫遊気分が味わえます。
(「八兵衛が下関でフグにあたって、砂浜に埋められて、タバコの煙をかけられる」ところは、ある年代から上の人はみんな知っているのですが、その回の視聴率が異常に高かったのでしょうか?、下関に行くたびに懲りずにしょっちゅう埋められているのでしょうか?)

「火曜サスペンス劇場」も旅話が多い(スイマセン、めったに見ないので、思いつきで書いています)ですね「奥の細道、温泉、老舗旅館、グルメ、不倫、遺産相続、保険金、連続殺人事件」みたいな。

でも本当のところ旅行案内は「本」か、せめて「ラジオ」がいいですね。
「イグアスの滝」の巨大さを説明するのに、知っている限りの形容詞を駆使して、それでも言葉では伝えきれないもどかしさがいいのです。
だから「行ってみたい」と思うのです。
100インチフルハイビジョンプラズマTVでDVDを見せられて
「これがイグアスの滝です」と言われれば
「大きいですね、感動しました、ありがとうございました、サヨナラ」ですよね。

世界中の「現地」の「映像」が氾濫して、イメージが痩せ細っている気がします。
田北センセの旅行記は「1枚の写真すらない」ところで勝負しているので、王道だと思います。
今後もそのスタイルを貫いて下さい。
どうしてもビジュアルでなければ説明できない時はぜひ「挿絵」を使ってください。
そうして、ポスト椎名誠のポジションを獲得し、少年少女の夢を「空は蒼々草茫々」のモンゴルの大地に解き放ってください。
中高生達に「ニタリノフの便座」はその後どうなったのか、どうしても知りたいと思わせて下さい。
どうかよろしくお願い申し上げます。

追伸
イリジウム衛星携帯電話買いました?

Posted by ロシア人 ニタリノフ at 2007年08月04日 09:31
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童貞卒業!
Excerpt: 正確にはセ◎レなんだけど。。(笑) いきなりかよ(笑)
Weblog: ついに彼女できた(泣)
Tracked: 2007-08-06 04:40

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