2007年07月24日
「途上国の携帯電話」について。
これを見て思い出した、「途上国の携帯電話ネタ」。
■ナイル川と携帯電話
エジプトへ旅行した時のことだ。
ナイル川で、『ファルーカ』に乗った。
ファルーカは、風で進む帆船のことだ。地元のヌビア人が、古来、使っていたという。
ヌビア人は、現在のエジプト南部と、南隣のスーダン北部に住む人々で、古代エジプト人と同じくらい古くから、つまり何千年も昔から存在する、アフリカ系の民族だ。
私が乗った時は、船頭さん(というのか?)はヌビア人で、民族衣装のガラベーヤを着ていた。
物静かな人で、ほとんど喋らない。
無表情に黙ったまま、風を読みながら、帆柱を動かしては船を進める。
ガイドさんの説明によると、少ししか風がなくても、向かい風でも、操船技術と、船の構造によって、船を動かしてしまうそうだ。すごい。
広大なナイル川の川面。対岸の風景。
一度、行き交う別のファルーカに乗った船頭さんが、こちらの船頭さんの知り合いだったらしく、
「ハッサーン!」
と声を上げて呼びかけたりした。その声が、静かな川面によく響く。
私は、
「おおお…これぞ、エジプト。ナイル川」
ってな情景に、かなりジーンとしていた。
しばらくして、風が止まった。
船頭さんが、現地人ガイドさんに、何か言った。ガイドさんは、
「知り合いのモーターボートを呼んで、牽引してもらうそうです」
と説明する。
私は、
「何か独特の発声法か何かで、仲間を呼ぶのだろうか?」
と、ワクワクしながら、船頭さんを見守っていた。
船頭さんは、相変わらず無表情なまま、ガラベーヤの長いスソから、おもむろに携帯電話を取り出して、電話をかけ始めた。
私は、
「…ありゃ?」
と、ちょっと拍子抜けしたのだった。
■岩山と携帯電話
ヨルダンへ旅行した時のことだ。
ペトラ遺跡を観光した後、その背後にある山に登った。
かなりの岩山を登った。山頂からは、見渡す限り、荒涼とした岩山と砂漠だった。
この地には、紀元前から人々が住んでいたそうだ。
キャラバンの交易基地として、栄えた時期もあったらしい。
私は、眼下にどこまでも広がる岩山と砂漠を見ながら、
「いま、私の目の前に広がる光景は、何千年も昔の人々が見た光景と、ほぼ同じなんだろうな」
と、感動した。
振り返ると、小さな売店があった。
広さ2畳ほどの小屋みたいな建物で、民芸調のアクセサリーなどを売っていた。
店内には、ビザカードとマスターカードのマークが貼ってあった。カードで買い物ができるらしい。
お店のおじさんは、ふつうに携帯電話で、何か、商談だか世間話だかをしていた。
私は、ちょっとガクッと来たのだった。
■ヒジャーブと携帯電話
何年か前、マレーシアのボルネオ島に行った時のことだ。
リゾートだったので、ほとんどホテルのビーチとプールで過ごした。
しかしせっかくなので、一度だけ、町歩きをした。
私にとっては、初めてのイスラム国だった。
なので、ヒジャーブ(頭にかぶるスカーフ)をした女性を見るだけで、
「ああ…イスラム国なんだ…」
と新鮮に感動したりした。
Tシャツにジーンズ、片手に携帯電話、でも頭にはヒジャーブ。
という若い女性を見ると、なんか不思議な感じはしたけれど。
■でも、もちろん…
私がエジプトで「ありゃ」と思ったのも、ヨルダンでガクッと来たのも、ヒジャーブをした女性がケータイで話しているのを不思議に感じたのも、観光客の勝手な感想だ。
あの、飛行機で1〜2時間飛んでも続く広い砂漠(エジプト)や、車で何時間走っても続く、岩山ばかりの場所を移動する(ヨルダン)と、あるいは、高さ何メートルもある木が生い茂るジャングルを実際に歩いてみる(ボルネオ)と、やはり、携帯電話は必需品だと実感する。
インフラ的にも、ああいう土地柄には合ってるんだろうなと思った。
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Tracked: 2007-09-30 08:46
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ところで、昔、イリジウム携帯電話というのがあったのをご存知ですか?人工衛星を利用した、地球上ならどこでも通話可能な携帯電話でした。
月額基本料がたしか15万円ぐらいでした。
知人に「誰が使うの」と聞いたら
「多分、アフガンゲリラとか、エベレスト登山隊とかじゃないかな」と言っていましたが、新聞広告には巨大な携帯電話で話すビジネスマンの写真がありました。
海外ローミングサービスやレンタル携帯電話の普及で顧客数が伸びず(笑)撤退しました。
と、ここまで書いてGoogleで検索したら、今でもやっているのですね。
びっくりしました。
半年で21万円とたいへんお得になっています!!
ホームページによると
「地球上約780kmの高さを低軌道で周回する66機のイリジウム衛星を利用し、地球上のすべてのエリアをカバーする衛星移動体通信ネットワークです。これまで通信が困難であった海上や山の上、大陸の内部など、地球上のどこでも自然な会話ができます。またアンテナは全指向性のため、どの方向を向けても通話が可能です。」との事。
更にユーザー紹介事例として
「2007年1月イリジウム携帯が世界一の極寒地シベリア・オイミヤコンで使用されました。この時は-50℃でした。」との事。
旅行エッセイストの田北先生、今度使って感想を書いてください。イリジウムにスポンサーになってもらって、世界中を探検・・いや、旅するのも素敵だと思いませんか。
本の題は・・・
案1
「世界を歩く」
−ポケットの中にイリジウム−
(軽い感じで素敵でしょう)
案2
「オーパ・オーパ・オーパ」
−南氷洋で巨大イカと鯨を釣る−
(開高健へのオマージュということで)
案3
「田北知見探検隊アマゾンを行く」
−毒蜘蛛タランチュラとコブラの襲撃の先に隊長が見たものは!!!−
(そのうちフジテレビあたりでTVシリーズ化を)
お体に気をつけて。