2007年05月29日

「政治とカネ」

 株式会社財界研究所の『財界』誌 『財界ビジネスクラブ』の講演を聴いた。
 講師は、読売新聞社の小田 尚(たかし)政治部長。
 テーマは「7月参院選の行方〜日本の政治は今後どう動くか」。

 選挙結果の4つの想定ケースと、その場合想定される政局をはじめとして、有意義な講演を聴くことができた。

 新聞紙上には載せないオフレコの部分も多いということなので(笑)、想定ケースを除いて、私の印象に残ったポイントと、末尾に、聴講後の感想を書く。

■松岡農相の自殺について

 松岡利勝 農林水産大臣が、28日、東京・赤坂の議員宿舎で自殺したのは、(多額の使途不明瞭な事務所費や、農水省所管の独立行政法人『緑資源機構』の談合問題にからみ、多額の献金を受けていたことなどについて)身辺に捜査の手が及んでいたからだと見られている。

 この自殺事件について、タテマエ上は「内閣に打撃」と報道されている。
 が、自民党内では、
「これ以上、(松岡氏が)追及される心配がなくなった」
「つまり、これ以上、事態が悪化しない。今夏の参院選のマイナス材料が減った」
と、ささやかれている。

■7月参院選について

 与野党の勝敗が注目されている、珍しい選挙だ。
 結果によっては、与野党逆転、(ドラスティックな)政界再編が、あり得る選挙だ。
 ということで、各党、すでに本番モードに入っている。

 が、有権者は、ほとんどノッていない。各党の各地の集会では、人が集まらないという。
 これまでは、有権者の「政党ばなれ」が指摘されていたが、現在は「政治ばなれ」だ。
 テレビでも、安倍首相が画面に登場したとたん、視聴率が下がる。安倍政権の支持率が下がっていることに加え、政治ネタはウケないようだ。

 参院選の行方は、無党派層がどこへ行くかがポイントとなる。

 焦点となるのは、憲法、格差、「政治とカネ」などだが――、

 安倍首相は、憲法改正といっても、どこをどう変えるといった具体的な話は出ない。
 格差対策といっても、各党とも、有効な対策が出せず、焦点になりえずにいる。
 「政治とカネ」の問題については、各党・各議員とも、それぞれスネに傷を持つため、お互い追及しにくい状況にある。

 つまり、政策不在で、有権者が、将来の展望を描けず、そのため、政治や選挙への関心が持てないのだろう。

■小泉前首相について
(小泉純一郎 前首相と、小泉チルドレンの動向についての質疑に回答して)

 小泉氏は、現在、永田町で何の影響力もない。

 というのは、現在の小選挙区制では、党の執行部が、公認権、人事権、カネを配るチカラを持っているからだ。
 昔の中選挙区では、派閥の領袖がこれらについて発言権やチカラを持っていたため、たとえば元幹事長といった立場の人でも、派閥の長老として、チカラを持てた。

 しかし、現在は上記のような状況のため、今現在、肩書きを持たない人、つまり、ポストを離れた人には、何のチカラもない。
 小泉氏があれだけ自分の思うとおりにできたのも、首相という肩書き・権限を持っていたからだ。総理を辞めたら、ただの人だ。

 その代わり、小泉氏、安倍氏とも、人事を好きなようにできた。(派閥のチカラで幹事長・首相になった場合、派閥に配慮した人事を行なわなければならない)

■私(田北)の感想――「政治とカネ」について

 小田氏の講演では、「政治とカネ」の話で、チラリと「実弾」の話が出た。昔の選挙で、ある地方では、1つの県内だけで4億円のカネが動いたという。

 むかし、政治評論家の早坂茂三氏の講演でも、そういう話を聴いた。
 早坂氏は、田中角栄の秘書時代に、やはり選挙の時は「実弾」を用意したと話していた。確か、
「自民党だけでなく、他の党の候補者も含めて、多くの人間が、田中先生のもとへ来た。金庫から、札束を取り出しては、玄関先で渡した」
みたいなことを、話していたと記憶している。

 また、現実ではなくて、マンガの話で恐縮だが、むかし読んだ、かわぐちかいじ のマンガ『沈黙の艦隊』で、そういうシーンを見た。
 ストーリーの途中で、選挙と、その後の各党「連立」形成の過程が描かれていた。
 自党だけでは政権を取れないので、当選した他党の議員を、自党へ取り込む交渉をするシーンだ。
「ぜひ、わが党へ」
みたいなことを言いながら、ドン、と、札束を、テーブルの上に乗せる。
「いや、しかし……」
と、しぶる他党議員に、
「では、どうですか、これで」
 ドッ、ドン、…と、札束が、目の前に、積まれていく。

 不正なカネがらみの「自殺」についても、松本清張の小説や、浅田次郎のエッセイで、いろいろ恐ろしい話を読んだことがある。

 一般人の私から見ると、
「仕事として、手を汚さなければいけないこともあろう。清濁あわせ呑む、というが、確かに、清い水だけ飲んでいたい、というのはコドモだ」
というのはわかる。
 しかしやはり、
「そんなにまでして、巨額なカネがほしいのか? めしが食えるだけでは、いかんのか?」
と、素朴に思ってしまうのだが。如何か。





posted by 田北知見 at 15:52 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ネタいじり
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