『カンヌ国際映画祭』が16日、フランスのカンヌで始まった。今回は、60回目を迎えたそうだ。
コンペティション部門の出品作品のなかに、アニメ作品『ペルセポリス』(イラン、フランス)がある。
これについて書く。
■描かれているのは、イラン人の女性だけれど
原作は、イラン出身で、現在はフランスでイラストレーターなどの仕事をしている、マルジャン・サトラピのコミックだ。
サトラピは、映画では、ヴァンサン・パロノーとともに、監督を務めている。
『ペルセポリス』は、サトラピ自身の経験を、独特の絵柄とセンスで描いている。
日本のマンガとも違う。アメリカン・コミックとも違う。ヨーロッパ風の洗練されたイラストレーションとも違う。
独特のペンタッチと、シンプルな線で構成された、どことなくかわいい絵柄と、黒っぽい画面は、やはり、私には、「イラン」をイメージさせる。
この作品については、以前、このブログの2006年8月15日付け『いまだに、戦争が、』で書いた。
1巻の『イランの少女マルジ』には、イランで少女時代をすごした、サトラピ自身の経験が描かれている。
戦争や「革命」の悲惨さ、恐ろしさが伝わってくる。
描かれているのは、1970〜80年代の、イラン・イラク戦争や、イラン革命だ。が、そこに描かれていること(たとえば、人権蹂躙とか)は、今のイランやイラクと、あまり変わらないように見える。そして、戦前〜戦中の日本とも。
2巻の『マルジ、故郷に帰る』では、マルジは、ヨーロッパに1人で留学し、異邦人として、孤独と挫折を経験する。一度、イランに戻るのだが、イスラム国の窮屈さ、理不尽さに、やはり向いていないと実感し、再びヨーロッパへ旅立つ。
中東、イスラムという、自分自身のルーツは大切にしつつも、やはり、自由と自立への希求を、已むことはできない。という気持ちが伝わってくる。
そこに描かれているのは、イラン人の女性だが、
「ああ、わかるわかる、私も……」
と思う箇所が、たくさんある。
2007年05月17日
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