2007年05月07日

レオナルドって、やっぱ、天才。
――『ダ・ヴィンチ』展を見て

 東京・上野の東京国立博物館で、『レオナルド・ダ・ヴィンチ ――天才の実像』展を観た。(6月17日まで開催)
 連休中だったし、映画・小説の『ダ・ヴィンチ・コード』人気の余波もあったようで、かなり混んでいた。私が行った時は、入場20分待ちだった。

 レオナルドが20代の時に描いた初期の絵画『受胎告知』の展示が目玉だ。

 私はこの作品、イタリア旅行へ行った時に、フィレンツェのウフィツィ美術館で見たことがある。
 その時は、静かな美術館で、人もそう多くはなく、ゆったりと見ることができた。
 が、今回は、ギュウギュウと人に押されながら、係員さんたちが「ハイ、立ち止まらないでください」と連呼する中(上野動物園のパンダの檻の前みたいだ)、とても鑑賞どころの騒ぎではなかった。チェッ。

 何年か前、同博物館に、おフランスのルーブル美術館から、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』が来た時も、見に行った。
 やはり、ギュウギュウで、その絵1枚を見るために、並んで、押されて、かなり大変だったと記憶している。しかも、防弾ガラスか何かの、ガラス越しの展示だった憶えがある。
 その後、実際に、おパリへ旅行して、ルーヴル美術館で見た。多くの名作のなかの1枚、という感じで展示されていて、とくに人がたかっているわけでもない。もちろん、ガラス越しではなくて、ナマ展示。
 ゆっくり見れた。なんか気が抜けた。イヤもちろん、感動的な名作ではあるのだが。

 アウェーとホームの違い? ちょっと違う? 全然違うか。(笑)

■『受胎告知』の聖母マリア、
右腕が不自然に長いのは、なぜか。


 『ダ・ヴィンチ』展でおもしろかったのは、「第2会場」で、いろいろな展示や映像による解説だ。

 まずは、『受胎告知』についての解説映像。
 聖母マリアの右腕が、不自然に長く描かれているのは、なぜか、とか。
 すごくおもしろかった。

 ほかの映像では、ミラノの大公の依頼で、レオナルドが立案した、ミラノの巨大騎馬像の制作計画の詳細を、CGなどで再現。

 この計画自体は、当時のミラノ公国の予算難や、戦争が始まったことにより、まぼろしに終わった。が、高さ7メートル以上になる騎馬像の鋳造を、当時の技術で、どう実行するのか。レオナルドの卓抜したアイデアと、綿密な計画設計は、すごい。
(以前に、本で、「奈良の大仏が当時、どのような工程で造られたのか」を読んだことがある。基本的には、それと同じなのだが、レオナルドの騎馬像鋳造工程は、もう少し、複雑でシステマティックだ。両者の時代は、750年ほど離れているけど)
 会場には、その騎馬像の一部を模した像(本物のブロンズかも?)も展示されている。

 また、レオナルドが考案した、人力飛行機の模型(といっても、実物大)とか。楕円や放物線を描くためのコンパスとか。
 有名な『ウィトルウィウス的人体』の「黄金分割比」の映像説明とか。
 「鏡文字」を再現して、実際に書いているところの映像とか。

 レオナルドが使っていた鏡文字は、当時のイタリア文字(?)を、逆に書いたもの。鏡に映すと、あるいは、紙の裏からすかして見ると、当時のふつうのイタリア文字に見える。
 今回、私は映像を見て初めて気づいたのだが、確かに、左利きの人(レオナルドは左利き)にとって、あの文字(英語の筆記体みたいな感じ)は、右から左に書いたほうが書きやすい。なるほど、と思ったのだった。

 レオナルドの手稿(素描やメモ)は、それだけ見ると、私のようなシロートには、何のことやら、って感じだ。しかし、ああやって、映像や展示で解説されると、改めて、
「なるほど、レオナルドって、ホント、天才だったんだな」
と実感できる。


posted by 田北知見 at 16:04 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | よいこの美術鑑賞
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