2007年03月22日

西村京太郎『高知・龍馬 殺人街道』から、
高知旅行ネタに走る。

 西村京太郎の『高知・龍馬 殺人街道』を読んだ。十津川警部もの、私は初めて読んだ。

 驚いた。
 テロ殺人あり、首相の孫 誘拐事件あり、原発へのテロ予告あり、シージャックあり、シージャック船と海保の銃撃戦(というのか?)あり、と、かなりのダイナミズムだ。

 十津川警部ものって、旅情ミステリーというか、もうちょっと、コージーミステリーっぽいんだと思ってた。(もちろん、この作品でも、十津川警部と亀井刑事は高知へ行くが)
 十津川警部って、2時間ドラマでは、橋詰功とか藤田まことが演じてなかったっけ? と思った。
(ちなみにこれは、私の勘違いだった。調べてみたところ、実際は、渡瀬恒彦や萩原健一らが演じている)

 けれども、西村京太郎らしい、抑えた筆致と平易な言葉づかいで書かれているため、何か品格のようなものが感じられる。えがかれていることは殺人や銃撃戦なのだが、どこか安心して読める。さすが、書き手の年季を感じた。
 このシリーズに人気があり、多くの読者に、長く愛読されているのも、わかる気がした。

■ここから強引に、高知旅行ネタに入る。

 で、ここから強引に高知旅行ネタに入る。
 数年前に行った、高知旅行の思い出だ。

 最も印象に残っているのは、やはり桂浜だ。
 波が、2メートルくらいの高さで、ドォン!と砕けるのだ。度肝を抜かれた。

 太平洋って、だいたいそうだと思うが、桂浜もそうだった。手前には荒波。その向こうは、島影のひとつもなく、意外と穏やかそうな、広い海。
 背後は、高く険しい四国山地と、そして上士下士の身分の厳しい高知城下が、肩にのしかかってくるように感じる。

「この海の向こうへ、出るしかないぜよ!」
と、龍馬が思ったのも、むべなるかな、と実感した。

■龍馬ファンには申し訳ないが(笑)、
桂小五郎の手紙に心を打たれた私


 もうひとつ、印象に残っているのは、坂本龍馬記念館だ。

 龍馬の手紙や、京都の近江屋で暗殺された際に、現場にあった、血のついた屏風と掛け軸のレプリカなどが展示されている。

 私は龍馬ファンではないので(龍馬ファンの皆様、すみません)、それよりも、長州の桂小五郎が龍馬に出した手紙が印象に残っている。
 薩長同盟について、龍馬に「くれぐれも、よろしく頼む」と念押ししている手紙なのだが、やたら長いのだ。文が長く、したがって、紙の長さも長い。確か、2メートルくらいの長さだった(笑)。

 短編『逃げの小五郎』などを書いている司馬遼太郎あたりに言わせると、たぶん、「このながい紙に書かれた、くどいほどの念の押しように、桂の小心さが、におい立ってくる」みたいなことになるのだろうが、私はそうは思わない。
 むしろ、桂は、
「坂本くんは、人柄は信頼できるんじゃが、大雑把で野放図なところがあるけえのう…」
「この同盟が失敗すれば、わし1人が腹を切って済む話じゃない。長州藩がつぶれるかどうかの瀬戸際じゃ」
「見っとも無うてもええ。わしは、どねぇ思われても構わん。この同盟が成功すりゃあ、それでええ」
と、必死だったのではないか、と思った。

■老舗料亭の実力

 高知市内で、印象に残っているのは、料亭『得月楼』。
 明治3年創業の老舗で、宮尾登美子の小説『陽暉楼』のモデルになったところだ。というか、実際にこの料亭が昔『陽暉楼』だったらしい。

 旅行出発前から、ネットでじっくりチェックして、「1人でも受けてくれるか」と問い合わせ、電話で予約をした。かなり緊張して行った。
 建物やお庭や盆梅にも圧倒されたのだが、最も「さすがは」と思ったのは、「人」だった。

 昔風にいうと、下足番さん、というのだろうか。半纏を着た、押し出しの立派な年配の男性が、玄関前で迎えてくれた。

 個室で、懐石コースのようなものを頼んだと記憶している。
 まだ寒い時期だったので、障子やふすまは閉めてある。なのに、料理の出てくるタイミングがドンピシャなのだ。
 私は食べるのが遅いほうなのだが、最初の1〜2品は、出てくるのがちょっと早めだったけれど、それ以降は、部屋に隠しカメラでもついているのか? というくらい、ちょうど良いタイミングで次の料理が出てくるのだ。すごい、と思った。


posted by 田北知見 at 17:14 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | よいこの読書感想文
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