2007年01月10日

驚きのヨルダン、シリア旅行

 年末年始の休みに加え、数日、お休みをいただいて、ヨルダンとシリアの旅行に行って来た。

 地図で見ると、この2国、東隣りはイラク、西隣りはイスラエル、レバノン。と、かなり物騒な位置にある。
 ツアーだったので、
「添乗員さんと現地人ガイドさんについて行くだけだから、大丈夫」
とは思っていたものの、実はちょっと怖かった。

 結論から言えば、テロにも空爆にもゲリラにも遭うことなく(笑)、無事に帰って来れた。良かった、ヨカッタ。

 入国してしまえば、そして危ない地域へ行かなければ、アメリカとかよりも、よほど安全かもしれない。犯罪は、他の途上国や先進国よりも、むしろ少ないと聞いた。
(以前、途上国の奥地にばかり旅行する人と話をした時、「そんな所にばかり行って、怖くないですか? アメリカとかの先進国へは旅行しないんですか?」と訊いたら、「アメリカみたいな殺人や強盗の多い国には、俺は恐ろしくて行けない」と言われた。うーむ…確かに…w。)

■なぜシリアなのか

 シリアには、ずっと行ってみたかった。

 これは以前にも『キッチンカブー』の『ウオッチング』コーナーで書かせていただいた話だが、十数年前、大学生の時に、「シルクロード展」を見に行った時のことだ。
 アテナ神の石像を見た。アテナはギリシャの女神で、ローマのミネルヴァ神に相当する。
 ギリシャ・ローマ風の石像なのだが、顔つきに、ガンダーラの石仏のように、少しアジア的な濃さがある。また、ギリシャ・ローマの彫刻によくある白い大理石ではなく、黒い玄武岩に彫刻されていた。私は、
「なんだこれは?」
と、衝撃を受けた。
 ヨーロッパとアジアが混じり合っている。
 初めて出会った、「中東的なもの」だった。

 以降、国内の博物館や展覧会などで、パルミラの石像などを見る機会もあり、いつか是非、行ってみたいと思っていた。

■アジア的なヨーロッパ

 実際にヨルダンとシリアを旅行した印象は、
「中東的な要素の入った、ヨーロッパだ」
と思った。街の感じも、人の感じも。

 もちろん、街以外のところは、荒涼とした砂漠・土漠・岩山だし、肌の色と顔のつくりが濃い、ベドウィン(遊牧民)系の人もたくさんいる。

 が、やはり全体として、ヨーロッパ的だ。
 建物はベージュの石造りで、街の雰囲気はとても洗練されている。が、ヨーロッパよりは少しシンプルで、装飾などに、やはり中東的な雰囲気はある。
 人々は、全般に、肌の色が白くて、顔の彫りが深くて、スラッとしていて、アジア人というよりはヨーロッパ人に近いように見えた。

 モスク(礼拝所)と、ヒジャブを被った女性の姿がなければ、東ヨーロッパや南ヨーロッパと見まがうかもしれない。
 ただ、同じ中東でも、イスラム色の強いイランやサウジアラビアだと、街の感じなんかも、違った印象を受けるだろう。また、同じイスラム国でも、北アフリカのチュニジアやリビアだと、人の感じなんかも、違った印象を受けるかもしれない。

■人種と宗教のモザイク

 メソポタミアを中心とした、この地域は、人類の文明発祥の地だ。古代4大文明のひとつ、チグリス・ユーフラテス文明。
 紀元前数千年からこんにちまで、数千年にわたり、東西南北から、さまざまな民族が流入し、さまざまな国が興亡を繰り返してきた。

 だから、さまざまな遺跡や遺構が数え切れないほどあり、かつ重層的に存在している。

 たとえば、ローマ時代の神殿が、のちにキリスト教の聖堂として使われ、その後、イスラム教のモスクに作り変えられたりしている。

 たとえば、紀元前の土着の神を祀る神殿が、その後、ローマ神殿として使われたりしている。

 そして、たとえば、シリアの首都ダマスカスでは、イスラム教徒とキリスト教徒とユダヤ教徒が、それぞれの宗教を尊重し合いながら、1000年以上にわたって、共存している。
「共存、できるんじゃないの」
と思ったりした。

■さまざまなものが見れて、驚きの連続だった

 なので、見どころが数多くある。

 紀元前のメソポタミア文明の遺跡や遺物。
 パルミラに代表される、シルクロードのオアシス都市の遺跡。
 ローマ式の劇場。

 初期キリスト教の教会。険しい岩山の上に建っていたりして、
「ああ……ローマ人の迫害を逃れて、こんなところに住んでいたのかなあ……」
と思ったり。

 『モーゼの泉』や『まっすぐな道』など、聖書に出てくる場所に比定される場所。(私はキリスト教には興味がなくて不勉強だったのだが、聖書って、神話とか論語みたいなものだと思っていた。違うのね……)

 十字軍の要塞だった城。
 オスマン・トルコ時代の、イスラム色の強い建物。白い石と黒い石のしましまや、タイルの青い装飾。

 洗練された街の、洗練された店やホテルやレストラン。
 喧騒のスーク(市場)。
 紅海のリゾートでは、ものすごく青い海や珊瑚礁が見れたり。(海は、沖縄やハワイよりも、ずっと濃い、なんともいえないブルーだ)
 死海では、塩分が濃いため、泳げない人も、プカプカと浮かぶことができる。
 荒涼とした砂漠では、ベドウィンのテントと羊の群れが見えたり。

 私自身はパルミラ遺跡が目当てで、あとは、マリ遺跡とかの、人類最古の文明の遺物が博物館で見れるかなー、くらいの気持ちで、それ以外はあまり期待しないで行った。
 が、こんなにさまざまなものを見ることができるとは、うれしい驚きだった。


posted by 田北知見 at 17:27 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味に走ってスミマセン
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