2006年10月27日

絵画←→風景

 東京・上野の国立西洋美術館で『ベルギー王立美術館展』を観た。

 目玉のひとつは、ブリューゲルの『イカロスの墜落』。
 しかしテーマであるはずのイカロスは、画面の隅のほうに小さく描かれている。ボチャン!という感じで海に落ちたところで、海面には脚しか出ていない。なんかトホホな感じだ。
 絵の主役は、黙々と農作業を行なっている農夫だ。そして、広い海と空。
 この絵ついて、専門家はいろいろな解釈をしているのだろうが、私には、ブリューゲルが、
「空を飛ぶなんて非現実的で、神や大自然に対して畏れ多いことだ。そんなことより、まじめに働くのが一番さ」
と言っているように見えた。

■絵よりも風景が先だ

 以前、『ナショナル・ジオグラフィック』で、オランダの冬の風景として、凍った湖で、たくさんの人がスケートを楽しんでいる写真を見たことがある。その時、私は、
「ブリューゲルの絵みたいだな」
と思ったのだった。
 そして気がついた。
「いや、違う。実際の風景が先に存在して(ブリューゲルの絵と、雑誌の写真では400年以上、隔たっているけど)、それが絵になってるんだ」

 イタリアのヴェニスに旅行した時、海と建物の風景を見て、
「あ、モネの『ヴェネツィアの黄昏』みたいだ」
と思い、
「いや違う、この風景が先に存在していて、これをモネは腐心して絵に再現したのだ」
と気がついた。

 南フランスに旅行した時。
 港の風景を見た時、セザンヌのアトリエで濃い影をつくる木漏れ日を見た時、
「あ、印象派の絵そのままだ」
と思った。
 これも、風景が先に存在して、それを画家たちは苦労して絵に写し取ろうとしたのだ。

 今回、上記の展覧会で、イギリスの画家ターナーの描いた、ロンドンのウォータールー橋の絵を見た。ベルギーの画家(すみません、名前忘れました)が描いたウォータールー橋も展示されていた。
 同美術館では、常設展に、モネの描いたウォータールー橋もある。
 3作品とも、彼らの他の絵と同様に(ベルギーの画家についてはよく知らないのだが)、やはり、画面は、けぶったようにボワーンとしている。
 私はロンドンを旅行したことはないのだが、やはりこの絵のようにボヤーンとしているのだろうか。
 いつか行って、この目で確かめてみたい。


posted by 田北知見 at 17:50 | 東京 ☁ | Comment(1) | TrackBack(1) | よいこの美術鑑賞
この記事へのコメント
最近、街を歩いていたとき、ガラス越しに事務所の壁にかけてある絵が視野に入りました。なんの絵だかは分からないのですけど、その色の印象を感受したとき、

「絵っていうのは、エロス的な対象なんだな」っていう思いが、生まれて初めて頭の中に去来しました。

絵の好きな人にとっては当然なのでしょうけど、一人で「なるほど」ってうなずきました。
Posted by 無名画家 at 2006年10月28日 19:24
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