2006年10月05日

「ハギレ」と「さきおり」から岩手旅行ネタに走る。

 先日、日経新聞で、ハギレ(端切れ=必要なところを切った後にできる断片の布とか、半端に余った布)を使ってつくった昔の着物などについて、書かれていた。福島県立美術館では、10月15日まで『ハギレの日本文化誌』展をやっているとか。
 私はあまりそういったものに興味はないのだが、同じく、古布を使った「さきおり」には少し思い入れがある。

■バカにしたもんじゃない、さきおり
 「裂織」と書いて「さきおり」と読む。
 読んで字のごとく、古い布を裂いて細いリボン状にし、それを糸のように織ってつくった布だ。江戸時代あたりからあるものらしい。
 以前、青森県在住の人からその存在を初めて教わり、その後、岩手県を旅行した時にあちこちの土産品店などで見て気に入った。

 最初は、
「ちまちました手工芸品でしょ?」
とバカにしていたのだが、複雑な色重ねの美しさや、作品によっては現代的で洗練されたデザインに驚かされ、自分の不明を恥じた。

 コースターを2枚だけ買って帰った。緑色のと青いのを、それぞれ1枚ずつ。とはいっても単色ではなく、微妙にいろいろな色が重ねられている。
「岩手の、山と海の色だ」
と思って買った。

■山と海の、岩手県旅行

 おとどし行った岩手県旅行では、盛岡市からJR山田線で東行して宮古市へ行き、宮古から陸中海岸沿いに南下して釜石市へ行った。それからJR釜石線で西へ向かい、遠野市、花巻市を旅行した。

 山田線の盛岡-宮古間と、釜石線の釜石-花巻間は、なんかもう、ホントに「山の中!」といった感じだった。
 私が旅行したのは9月だったが、すでに少し肌寒かった。
 木々の緑が濃くて、それでいて透明感があって美しかった。私は木の種類は全く不案内だが、樫とか樺とかブナとか楓とか、たぶんそういう、寒いところに生える種類の木が多かったように思う。

 宮古から龍泉洞まで行ったが、その時も思った。
 木の緑と、川の水がとてもきれいだった。地元の路線バスに乗って、地元の町なかや、山や川や田んぼの中を行くのはかなり良い気分だった。

 海は、みょうに深い色で、それでいて透明感のある青だった。
 ただ、宮古から船で北山崎あたりまで行った時、太平洋は波が荒くて、水が黒に近い深緑色でちょっと怖かった。
 でも地元の人は、
「きょうは波が穏やかで良かったね」
と言っていた(笑)。

 宮古では、閉伊崎のある半島の、何とかいう山に歩いて登った。町なかのホテルから登山口まで路線バスで1〜2時間、歩きは片道2〜3時間くらいだった。
 てっぺんから見る景色も良かったが、バスから見た車窓の風景が良かった。
 海沿いの道をずっと行くのだが、途中に小さな入り江や漁港や浜が点在しているのだ。
 あるバス停なんかは、バス停の標識と椅子がポツーンとあって、背後は田んぼと山、目の前は小さな浜と海だ。
 風情があって、とても良かった。

■遠野は怖かった

 遠野は、違う意味でなんだか怖かった。

 1人だったし、せっかくなので、柳田國男の『遠野物語』を夜、ホテルの部屋で読んでいたら、幽霊(?)の出てくる怖い箇所をうっかり読んでしまった。
 もう大人なので、そういう恐怖感からはしばらく遠ざかっていたのだが、久しぶりに、すごく怖かった。

 また、同書の説話に出てくる『寒戸』地区に実際に行ってみたのだが、平日昼間だったせいか、一面の田んぼとその間を流れる細い川、低い山のふもとに家々が少しあるだけで、ほとんど人がいない。
 風が強く、川沿いに生えているススキがざわざわいっている。それ以外、何の音もない。動くものもない。
 現代の秋の昼間でもこんなに怖いのだから、江戸時代〜明治時代の冬の夜だったりしたら、ものすごく怖いだろうなと思った。
 
 地元の博物館では、遠野物語をアニメのような映像で語っていた。
 音楽やナレーターの語り口がおどろおどろしくて、すごく怖かった。
 
 山の途中にある神社へ、これまた路線バスで行った。
 途中の田んぼや山や神社の景色も良かったが、地元の乗客が良かった。
「旅行かい?」
と声をかけてくれたおじさんとか。
 地元の知り合いどうしで、
「今日は山に入って栗を拾ってたの」
と言って、バスの中で袋を広げ、おすそ分けをしている年配の女性客とか。

■賢治さんのイーハトーブ、花巻

 花巻でのお目当ては、もちろん宮沢賢治だった。

 これまた読書ネタなのだが、夕食までにちょっと時間があったので、ホテルの部屋で宮沢賢治の本を読むことにした。
 うっかり、『よだかの星』を読んでしまった。
 最初から最後まで、とても悲しいお話なのだ。
 読みながら泣いてしまい、泣きはらした目で夕食の席についた。とてもまぬけだった。

 賢治さんが『イギリス海岸』と名づけた川にも行ってみた。
 海岸というより、ヨーロッパの川みたいだなと思った。岸に木が茂っていて、水がたっぷり流れていたからだ。
 日本の多くの川は、コンクリートで護岸工事が施され、上流のダムにより、流水量が少ないので。

 岩手旅行、良かったですよ。


posted by 田北知見 at 17:07 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(2) | 趣味に走ってスミマセン
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