2006年09月21日

秋になると

 最近、涼しい。
 秋になると、私は藤沢周平の時代小説を読みたくなる。なんでだろう?

 藤沢周平は山形県鶴岡市郊外の出身だ。そのせいか、というか、私が勝手に感じてしまうだけなのだが、春の描写でも、
「暖かくなったと油断していると、思わぬ寒い日もあって…」
みたいな表現がよく出てくる。
 夏の盛りの蝉しぐれの時期を描いていても、どこか涼しさを感じてしまう。なんでだろう。登場人物の爽やかさゆえだろうか。

 10年ちかく前、私が山形県に旅行したのもこの時期、9月だった。
 当時はまだ藤沢周平の作品…というか、時代小説じたいに興味がなくて読んだことはなかったので、鶴岡市はあまり時間を取らなかった。

 最も憶えているのは、色づき始めた一面の稲穂だ。美しく、豊かな、瑞穂の国の風景だと思った。

 私は秋田県を旅行してから日本海に沿って南下し、山形県はJR羽越本線で遊佐町、酒田市、鶴岡市と旅行した。庄内平野の豊かな実りと、港町として栄えた商都(酒田)と城下町(鶴岡)としての文化的厚みが印象に残っている。
 豊かな、それでいて北国という場所柄、油断すると貧しい地域に転落してしまう可能性のある所だったのだろうなと思った。

 もうひとつ、記憶に残っているのは、鶴岡市近郊にある羽黒山だ。
 頂上のほうに神社があり、そこまで車でも上がって行けるのだが、せっかくなので、私は数千段あるという石段を、歩いて上がった。
 山の中の階段をひたすら上がる。石段以外には何もなく(途中に1軒だけ、お店があったと思う。記憶違いだったらすみません)、木々が茂り、ひと気がない。たまに遭っても、すれ違ったり、追い抜いたりしてしばらくすると、もう姿が見えなくなる。人声もせず、車とかの音もせず、聞こえるのは木がざわめく音だけだ。
 美しくて、良いところだと思ったが、同時になんだか怖かった。昔は(今でも)修験道の場というだけはあると思った。
 そして、途中に突然、五重塔がある。
「こんな山の中に!? どーやって材料を運び上げ、建立したんだ!?」
と思ってしまった。
 いろいろと、良い体験をした。ディスカバー、ジャパン。ってか?


posted by 田北知見 at 10:59 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | よいこの読書感想文
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