2006年04月05日

いつか見た風景

 中国の外貨準備高が2月末に約8537億米ドルとなり、日本を抜いて世界1になった、と報じられた。日本の財務省が3月上旬に発表した、2月末の日本のそれは約8501億米ドルだった。
 投資や投機的資本の流入、貿易黒字などによるものだ。また、中国政府(といっていいのだろうか、社会主義の国でも「政府」というのか?)が人民元の上昇を抑えるために外貨(米ドル)を購入し続けているからだ。

 外貨準備高が多い。ってどういうことだろう。
〈良い面〉
・その国の経済力の証明となり、国際的な信用力が向上する。
・国際的な影響力が高まる。たとえば、米ドルをたくさん持っていると米国、ひいては世界の金融市場を左右する力を持つことになる。
〈あんまり良くない面〉
・国内経済構造の不均衡、金融調整能力への影響、インフレ圧力となる。
・経常黒字が大きいということは、国内投資、つまり国内経済が不活発だと見られる。
・その外貨、たとえば米ドルが下落すると、自国の外貨資産が目減りする。

 必ずしも、いいことばかりじゃないんだ。
 中国の政府筋や銀行筋はすでに、内需拡大、貯蓄率引き下げ、市場開放、輸入拡大、中国企業による海外投資などの施策の必要性を指摘しているそうだ。
 同時に、欧米との貿易摩擦が悪化していることや、外資による中国での工場建設はピークをすぎており、これまでどおりのペースで黒字を積み上げることは難しいのではないか、という指摘も出ている。

 ……と書いてきて気づいたのだが、20年くらい前に、日本でも同じような単語をよく聞いてた気がする。円高を抑えるための米外債の購入とか、内需拡大とか、貿易摩擦とか……。

 あと、もうひとつ思い出したことがある。
 やはり10年くらい前、私は台湾へ旅行する機会があった。ちょうど「台湾の外貨準備高が日本を抜いた」と報道されたころだった。
 それで私は、
「あんな面積の小さな島で…?」
と、自分の国(日本)のことを棚に上げて思い、ツアーの自由時間に、政府(といっていいのだろうか、台湾でも「政府」というのか?)の関連団体がやっている物産館のようなところへ行ってみた。
 華々しい製品がたくさん並べてあるのかと思いきや、何かの部品や部材など、地味なものが多かった。
「……?」
 と思って帰国後、いろいろ読んでみたところ、たとえば、
「パソコンの、ある部分の構成部材については、世界シェアのほとんどを台湾企業が押さえている」
とか、そういうことらしい。独自の技術と経営戦略。そこが台湾の強みだった。
 加えて、軍事的、政治的な状況から、人々は、「いつどうなるかわからない」という意識を持っていて、そのために一生懸命、外貨を持ち続けている、という風に、私には見えた。
 とくに何か、世界経済を牛耳ってやろうとか、そういうわけではなかった。当たり前か(笑)。

 日本が外貨準備高の世界トップに初めて立った時も、世界の人たちはびっくりしたらしい。そして、「何を考えてそんなに外貨をせっせと買っているのか、不気味」とか「フェアじゃないビジネスをやっているからだ」などと意地悪(?)を言われた。
 なので、今回も「中国脅威論」なんてぶたずに、
「何事も、トップって大変なのよ」
と暖かく見守って(?)あげたいと思っているのだが。


posted by 田北知見 at 13:50 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 〜について思ったこと
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