2008年10月16日

なんか似ている…?ノンフィクション『津山三十人殺し』を読んだ。


 筑波昭 著『津山三十人殺し〜日本犯罪史上空前の惨劇』(昭和56(1981)年刊行、文庫版初版は平成17(2005)年)を読んだ。

 昭和13(1938)年5月21日未明に、岡山県西加茂村(当時)で起きた、30人が惨殺された事件についてのノンフィクションだ。
 横溝正史の小説『八つ墓村』に出てくる事件のモデルにもなったので、犯罪史上、わりと有名な事件だろう。
 学生服にゲートル、地下足袋。頭に巻いた鉢巻には、懐中電灯を鬼のツノのように2本挿し、腰には日本刀や匕首を下げ、手には猟銃を持ち、暗闇に沈んだ村の家々を回って、驚き怯える村人たちを、次々に殺していく…。

 犯人の都井睦雄(当時22歳)は、今で言うニートだった。
 甘やかされて育ち、大人になってからも『少年倶楽部』など子供向けの雑誌などを好んで読み、昭和11年に起きた安部定事件など猟奇的な事件に異様な関心を持ち…という、まるで、たとえば宮崎勤 元死刑囚のような人だ。(と、私には見えた)

 同時に、都井は自分が結核に侵されていると思い込んでいたため、
「俺はどうせ死ぬんだ。だから多くの人を道連れに」
「他のヤツらも、不幸になればいい」
みたいな、自分勝手な理由も見え隠れする。(ように、私には感じられた)
 宅間守 元死刑囚や、今月1日に大阪市で起きた、小川和弘容疑者による個室ビデオ店放火事件などを思い出す。

 また、当時の社会背景として、2.26事件(昭和11年)、日中戦争(昭和12年〜)など、殺伐として、かつ閉塞感のある世相だったこともあるようだ。
 レベルは全然違うが、現在の、格差固定化社会や、いわゆる「不機嫌な職場」や、「金儲けがすべて」「勝ち組・負け組」みたいな、競争がきびしく、殺伐として閉塞的な世相と似ている気がする。

 加えて、同書には、安部定事件についての、当時のマスコミ報道なども掲載されているが、
「捕まった時には、所持金は○○円だった」
など、どうでもいい?詳細についてまで書かれていたり、警察調書が流出・流布するなど、メディアは違う(紙媒体とテレビやネットなど)ものの、現在の過剰報道を彷彿とさせる。

 一時期、ワーキングプアや日雇い派遣が問題になっていたころ、小林多喜二のプロレタリア文学小説『蟹工船』(昭和4年刊)が、にわかにブーム?になっていたそうだ。
(私も書店で、いくつかの『マンガで読む文学小説』が平積みになっており、そのなかで蟹工船だけが減っているのを見たことがある)

 なんだか、イヤな世の中になってきたなあ…。(汗)


posted by 田北知見 at 17:31 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | よいこの読書感想文
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