日本映画は観ない。
上映時間を確認して、わざわざ電車に乗って映画館へ行って、2000円近くも払ってまで、観なくてもいいや。と思っていた。
でもなぜか、『クライマーズ・ハイ』を観に行ってしまった。
1985年8月、日航機が群馬県御巣鷹山に墜落した事故を軸とした、地元紙・北関東新聞の記者たちの人間ドラマだ。
横山秀夫原作、原田眞人監督。
結論から言う。
おもしろかった。いい映画だと思った。
■人間模様がおもしろい
まずいいのは、いろいろなキャラクターが出てくる点だ。
主人公の、日航機事故 全権デスク悠木。ふだんは「やんちゃな遊軍記者」だが、デスク役となると、慎重さが先に立ってしまい、上役との折り合いもヘタクソで、イタイ場面も多々ある。
県警キャップも務める優秀な記者、佐山。
「過去の栄光」にひたり、若手からは恐竜呼ばわりされる、局長、次長、部長の3上役。しかしそれぞれ、ポイントポイントでキーマンとなったり。
主人公悠木の同期(的な存在)でデスクの、岸と田沢。岸は基本的に味方で、要所要所でサポートをしてくれる。田沢は悠木をライバル視しているが、イザという時は援護してくれたり。
悲惨な事故現場を見てノイローゼ気味になってしまった若手記者、神沢と、自分の強みを活かしてスクープを取ろうとする女性記者、玉置には、なんとなくシンパシーを感じたり。(笑)
いい味出してると思ったのは、整理部の亀嶋部長と吉井。
また、販売局の局長は、「いかにも!」って感じの、ガラの悪さ(笑)が、これまたいい味を出している。
■ 報道者の良心、登山のように行く人生
クライマックスのひとつは、
〈以下、ネタバレ注意〉
事故原因についてのスクープだろう。
佐山と玉置の両記者が、事故調の委員長にはりつき、ウラを取ろうとするシーン。
そして、その結果を、本社で待つ悠木デスクに電話で伝える。
その微妙な報告に、悠木は掲載するかどうか、迷う…。
私だったら、どうするだろうか、と思った。
私がデスクなら、たぶん載せる。
同業他社が掲載したように「の可能性」とか、
北関東新聞の予定稿のように「が有力」とか、
あるいは「か」や「も」をつけて逃げておけば、大丈夫。
と判断して、載せただろう。もし誤報になったとしても、誰かが傷つくような内容ではないからだ。
でも、悠木はそうしなかった。
報道者としての良心、つまり、「確実(真実)でないものは、報道しない」という信念に従ったのだ。
私はそのシーンを見ながら、
「なにをヌルいことを…」
「だから抜かれるんだよ」
と歯噛みした(笑)。
しかし最後のシーンで、解る。
「報道者としての良心に従って、誰に恥じることもない生き方」
「間違ったとしても、いくらでもやり直せるんだよ」
「そう、自分のペースで山を登るようにね」
と。
2008年08月05日
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